賭けないマージャンもあるんです−−。11日に辞意を表明した福岡県飯塚市の斉藤守史市長が賭けマージャンを繰り返し「賭けずにマージャンをする人がどれだけいるのか」と発言した問題が尾を引いている。「お金を賭けない、たばこを吸わない、お酒を飲まない」の「3ない」をモットーにした「健康マージャン」の愛好家たちが「普及に水を差した」と憤っているのだ。【長谷川容子】

 JR小倉駅に近い、北九州市小倉北区米町の「健康マージャン千草教室」。始めは普通の雀荘だったが、愛好者が減少したこともあり、経営者の藤川浩三さん(70)が1999年に健康麻雀の雀荘に方向転換した。正午の開店から午後6時までは「3ない」を実施。料金は1回300円で、4人そろうとゲームが始まる。五つのマージャン卓は連日、60〜70代を中心に埋まり、うち約7割を女性が占める。最高齢の利用者は92歳の女性だ。

 日本健康麻将(マージャン)協会(東京)によると、健康マージャンは83年に東京都のマージャン店で生まれ、全国に広がった。88年に設立した同協会は「健康的な頭脳スポーツ」として普及に力を入れ、老化防止の一環で町内会がレクリエーションとして実施したり、自治体も高齢者対象の教室を主催したりして、参加人口は増えているという。

 千草教室の常連、若原順子さん(68)=若松区=は「年齢に関係なく、知らない人ともコミュニケーションできるのが魅力」と語る。若原さんは子育てが一段落した後、再開。健康マージャンを知って教室に通うようになり、2011年、熊本であった高齢者のスポーツと文化の祭典「全国健康福祉祭(ねんりんピック)」の健康マージャン部門で優勝した。「その時に多くの友人ができ、今でも交流は続いている」と仲間作りの楽しさを強調。現在はカルチャー教室で講師を務め、公民館やデイケア施設にもボランティアで指導に赴く。

 それだけに飯塚市長の記者会見での発言に耳を疑ったという。藤川さんも「健康マージャンは囲碁や将棋と同じ頭脳ゲーム。楽しんでやっている人が侮辱された」と語気を強める。「発言を撤回してもイメージの低下が心配。健康マージャンのことをよく知ってほしい」と2人は訴える。