自治体などが実施している貧困家庭の子ども向けの学習支援事業について、利用した中学生は友人や大人との関係が良くなる傾向があるとの調査結果を、NPO法人「さいたまユースサポートネット」が21日発表した。支援には成績の向上だけでなく、社会とのつながりや自己肯定感などを高める効果がうかがえると分析している。

 生活困窮者自立支援法に基づく学習支援事業は昨年度から始まり、今年度は423自治体が実施。その成果を厚生労働省の委託で同ネットが昨年11月〜今年1月に調べた。利用した子どもの声を聞いたのは今回が初めて。

 中学生(回答748人)に支援事業を利用した前後で「とてもよくなった」「よくなった」ことを聞いたところ、最多は「友達との仲の良さ」の56%。「将来の進学見通し」「家での学習習慣」「学校の成績」は各49%、「大人に対する印象」は45%だった。「自分に対する自信」も32%あった。

 生活保護世帯など貧困世帯の子どもは、自己肯定感の低さや、目標とする大人の存在が周りに少ないことが指摘されているが、分析した山本宏樹・東京電機大助教(教育社会学)は「学習支援が学力だけでなく、社会的信頼の醸成や将来展望の改善、自己肯定感向上など多様な効果を生んでいる」と評価する。

 また、事業を運営する334団体(回答率75%)は、47%が並行して保護者支援にも取り組み、40%が食事の提供もするなど、幅広い支援をしていた。一方で実施自治体の42%は「学習ボランティアの確保・増員」を課題に挙げた。【堀井恵里子】