○サントリー27−15神戸製鋼●(14日)

 スペースを突く得意の攻撃を挑戦的に繰り出したサントリー。過去最低の9位だった昨季に一度は失いかけたプライドを、15戦全勝優勝で取り戻した。

 「『やってみなはれ』は一番大切。ハングリーにチャレンジしてきた」。優勝が決まり、サントリー創業の志を引用した沢木監督。状況に応じて選手自らが判断して仕掛ける攻撃がこの日も光った。

 前半40分。ラインアウトからSH流(ながれ)が素早くパス。内に切れ込みながら受けたCTBカーペンターが相手間を突いて抜けだし、40メートル以上を走りゴール前へ。防御が中央に寄ったところで左サイドに素早く回し、WTB江見が決勝トライを奪った。カーペンターは「スペースが見えた。攻め込まれる時間が長かったのでトライにつながり幸せ」。積極的に仕掛けた結果だった。相手の圧力に苦しみ攻め込まれた前半に逆転し、流れを引き寄せた。

 今季から就任した沢木監督は、自信を失った選手たちの精神面を立て直し、練習、試合を問わず厳しさや激しさを求めた。相手の分析や練習内容の検討も選手に課し、戦術の理解や知識を深めて攻撃の幅を広げた。FW、バックス一体の攻撃がリーグを席巻し、「サントリーのラグビーを進化させられた」と沢木監督は胸を張った。

 試合終了直後は抱き合って優勝を喜んだ選手たちだが、すぐに気持ちを切り替えた。「本当の喜びをつかむために日本選手権に臨む」と流主将。リーグ制覇だけでは、勝利に飢えた心は満たせない。【谷口拓未】