◇革命指導者のカストロ前議長とも会談

 【ハバナ高本耕太】安倍晋三首相は22日午後(日本時間23日午前)、キューバの首都ハバナでラウル・カストロ国家評議会議長と会談し、最大12億7000万円規模の医療機材供与や技術協力で合意した。また、ラウル氏の兄でキューバの革命指導者、フィデル・カストロ前議長とも会談し、北朝鮮問題などで意見を交わした。

 現職首相のキューバ訪問は初めて。首相はラウル氏との会談で、昨年の米国との国交回復に支持を表明し、「官民挙げてキューバの発展に協力したい」と述べた。ラウル氏は「投資環境の整備に努める」と応じ、両首脳は「キューバ・日本医療センター」の設立に向けた協力や、国際協力機構(JICA)の現地事務所開設などの交流拡大で合意した。

 また、首相は核実験やミサイル発射を繰り返す北朝鮮について、「キューバが友好関係にあることは承知している」としたうえで、制裁強化への理解と協力を求めた。ラウル氏は「いかなる紛争も平和的な解決が重要だ」と述べた。

 一方、首相とフィデル氏の会談は、ハバナ市内の同氏の自宅で約70分間行われた。首相が2003年の同氏の被爆地・広島訪問に謝意を表明。同氏は「日本がさまざまな分野で努力を重ね、世界に貢献していることに感銘を受けている」と述べた。

 北朝鮮問題では、首相が「従来と異なるレベルの脅威だ。厳しく対応する必要がある」と述べたのに対し、フィデル氏は「キューバでも広島・長崎の悲劇は広く語られている。両国は核なき世界を作ることで一致している」と応じた。