【ヨハネスブルク小泉大士】野生動物の国際取引に関するワシントン条約の締約国会議が24日から、南アフリカのヨハネスブルクで始まる。絶滅が危惧されるアフリカゾウの象牙を狙った密猟を助長するとして、従来の国際間に加え象牙の国内取引の禁止も求める決議案が採択される可能性がある。合法的な国内市場を持つ日本は厳しい立場に立たされている。

 ワシントン条約は1990年から象牙の国際取引を原則禁止しているが、近年、象牙人気が根強い中国などでの需要が高まり、アフリカゾウの密猟が急増している。国際自然保護連合(IUCN)は9月に合法的な取引市場を抱える国に市場の閉鎖を求める勧告を採択。米国やケニアなどアフリカ10カ国は今回の会議に、国内市場を閉鎖するための法的措置を取るよう求める決議案を提出した。

 テロ組織の資金源になっているとも指摘され、米国は6月に象牙の取引を事実上全面禁止する新規制を発表。世界最大の象牙市場である中国もすでに国内取引を停止する意向を表明している。

 一方、日本国内では、90年の禁止以前に輸入された象牙は「種の保存法」に基づいて登録すれば売買可能で、印鑑の材料や装飾品などとして流通している。環境省は「日本国内での取引が海外での密猟や密輸を助長している事実はない」とする。日本政府は管理体制の強化などによって各国と協調していく考えだ。

 今回の締約国会議で、国内市場の閉鎖に関する決議案が採択されても法的拘束力はないが、国際的な圧力が高まれば日本も一層の対応を迫られそうだ。

 会議は174カ国の代表らが参加し、10月5日まで開かれる。