高島市安曇川町川島の阿志都彌(あしづみ)神社で22日、出産の情景を表現した神秘的な「御牢(みろう)開き神事」があった。神社によると、天皇が行う秋の皇霊祭に合わせて毎年、氏子や住民が続けている。古くから伝わり、県内では他に例がないという。

 拝殿に青竹を組んで胎内を模した御牢(約1・2メートル四方、高さ約3メートル)を設置。側面に幅約60センチ、高さ約90センチの口がある。前田公代宮司(67)と氏子が見守る中、みこ姿の河毛冨士子さん(79)が中に入り、鈴を鳴らしながら舞を奉納。短刀で御牢の四隅を切る仕草をすると口が開けられ、外に出て無事誕生を表現した。

 前田宮司は「夫婦が真玉(子)を授かり、母が楽に産めるよう神に祈るもの」と話し、河毛さんは「今年も大役を果たせた」と表情をほころばせた。

 氏子総代の1人、馬場哲喜さん(68)は「川島の名は大津宮を開いた天智天皇の川島皇子にちなむと伝わる。皇霊祭に合わせた安産祈願祭はこうした縁ではないか」と話していた。【塚原和俊】