24日に開館する国特別史跡・キトラ古墳(7世紀末〜8世紀初め)の極彩色壁画を保存・公開する明日香村の「キトラ古墳壁画体験館 四神の館」が21、22両日、村民向けに公開され、計約1750人が訪れた。世界最古の本格的天文図と「朱雀」「白虎」の壁画を前に、「狭い石室内で描いたのよ」などと「村の誇り」を子どもに教える大人の姿も見られた。

 キトラ古墳が見つかったのは敗戦直後。古墳のある阿部山地区で生まれ育った杉本潔さん(85)は「15歳だった時、村人が道を造ろうとして、のり面を削ったら古墳周りの古代の排水溝が出てきた。壁画を見ていると当時を思い出すなあ」と振り返った。

 体験館は1階に壁画があり、地下1階は“体感”をテーマにした展示で古代の事情や現代の修復など、壁画を取り巻く歴史を学べる。親子3人で来た辰巳友也さん(41)は「自分の村にこんな所があると言える」と喜んだ。2013年の村民向け石室見学にも参加した妻・幸世さん(32)は「壁画がとてもきれいになっていて驚いた。2歳の息子もこの施設と一緒に育ち、学んでいける」と話した。

 キトラ壁画保存公開は、もう一つの極彩色壁画、高松塚古墳壁画の行く末も見据えている。藤田樹生さん(56)は「高松塚はずさんな管理で壁画が損傷して残念な思いをしたが、キトラ壁画にはその教訓が生かされていると思った」と話した。

 10月23日までの一般公開は平日に空きがある。問い合わせは事務局(06・6281・3060)。【矢追健介】