阪神大震災から22年を前に、神戸市の久元喜造市長は12日までに、毎日新聞のインタビューに応じた=写真。久元市長は震災22年を迎えて、「街は完全に復興した。残された課題である災害援護資金の貸し付けや長田の再開発、借り上げ復興住宅についても最終的解決のめどをつけた」と述べた。

 明け渡しを求めて市が昨年、退去しない被災者を提訴した借り上げ復興住宅の問題については、「入居者から異論が出ているが、市の方針を変えるつもりはない。納得して退去した住民が大部分。不公平感が生じるので、ルールをみだりに動かすべきではない」と継続入居の基準の変更を否定した。退去期限が来た住民への対応は「市の方針をよく説明し、丁寧に説明して解決していきたい」と従来の立場を繰り返した。訴訟中の案件での和解の可能性についてはコメントしなかった。

 30年以内に発生する可能性の高い南海トラフ巨大地震への対策については、「ハード面では防潮堤の工事を4年以内に終了する。ソフト面では、浸水を前提にした避難訓練の実施や、災害時の消防団員の安全を確保する」と述べ、市全域にある防災福祉コミュニティーを活用して取り組む考えを明らかにした。

 震災の記憶継承については、「市民の44%、市職員では52%が震災を知らない世代。歳月を止めることはできないが、教訓を伝える努力を地道に積み重ねたい」と語った。【栗田亨】

〔神戸版〕