「招福除災の鬼」が暴れまわる奇習「鬼追い」が7日夜、曽於市末吉町の熊野神社であり、暗闇の中で鬼と参拝人による激しい肉弾戦が繰り広げられた。毎年1月7日に催される正月行事で、県無形民俗文化財に指定されている。

 鬼は数え25歳の厄年の男たちが扮(ふん)する3匹。鬼がまとう御幣をむしり取ったり、「鬼の手」と呼ばれる藁(わら)の棒や樫(かし)の棒で鬼にたたかれたりした参拝人は無事に1年を過ごせるという言い伝えがある。

 今年は雨模様となったが、神社の鬼堂から勢いよく飛び出した鬼たちは、御利益にあずかろうと参道で待ち構える参拝人の中になだれ込んだ。参拝人たちは神出鬼没の鬼の御幣を取ろうと体当たり。鬼は棒を振り回しながら必死で防戦し、悲鳴が上がるほどの攻防が半時間ほど続いた。

 鬼が鬼堂に引き揚げた後、境内で豆配りがあり、参拝人は家内安全や五穀豊穣(ほうじょう)などを祈った。【新開良一】