東日本大震災で被災し、震災遺構として保存・公開することが決まっている気仙沼向洋高校旧校舎(気仙沼市波路上(はじかみ))について、気仙沼市は13日、南校舎に加えて北校舎などほぼ全ての施設を保存する方針を明らかにした。菅原茂市長が同日の定例記者会見で表明した。

 新たに保存が決まったのは、震災当日に教職員や工事関係者約50人が避難し一晩を過ごした北校舎や体育館、生徒会館、総合実習棟など。当初、南校舎以外は今月中にも解体作業が始まる予定だった。

 市は2015年5月、維持費などの問題から南校舎のみ保存することを決定。しかし昨年12月、旧校舎全体を一般に初めて公開したところ、定員20人を大きく上回る136人が県内外から見学に訪れた。その際、「建物全体を残してほしい」との意見が相次ぎ、市は保存範囲を広げることにしたという。菅原市長は「校舎は、ほとんど手つかずのままでガレキも残っており、大変大きな価値が出てきている。将来的にも極力そのまま残していきたい」と話した。

 市によると、保存費用は年間約4400万円。新たに保存が決まった北校舎などは内部を公開せず、ほぼ手を付けずに保存するため、費用は当初計画に比べて約200万円増で抑えられるという。市は今後、地元住民に説明し、当初の計画通り18年度内の公開を目指す。【三浦研吾】