これまでにない熟成酒の深い味わいをどうぞ−−。長岡市小島谷の久須美酒造は24日から、30年以上にわたって貯蔵、熟成させてきた大吟醸酒「亀の翁(お) くらしっく 30年熟成」=写真=を発売する。日本酒の熟成酒は珍しく、試飲での評価も上々という。【金沢衛】

 亀の翁は、同社が幻の酒米「亀の尾」の復活栽培に成功し、1983年から仕込んでいる大吟醸酒。発売する熟成酒は85年に仕込んだもので、瓶に詰めた後、水源に使っている同社の裏山にある深さ25メートルの穴蔵に20年間貯蔵。さらに酒蔵の冷蔵庫で10年間熟成させた。

 これまでの熟成酒や古酒は赤みがかり、くせの強い独特の味が多い。しかし今回発売する大吟醸酒は黄金色で濁りもなく、多彩な料理と相性が良い深い味わいに仕上がったという。「好条件がそろった結果」と胸を張っており、蔵に伝わる突破精(つきはぜ)型のこうじ作りへのこだわり▽県の名水に指定された敷地内のわき水▽安定した環境の穴蔵貯蔵−−などを挙げている。

 酒を仕込んだ80年代は生酒ブームで新鮮さが好まれたが、同社先代の「やがて見直される時代がくる」という先見もあり、熟成酒の分野にも目を向けてきた。熟成酒造りの参考にするため、フランスでワイン造りを手掛けたこともある。久須美賢和社長は「試飲では、今までに味わったことのない、日本酒の概念を変えてくれると評価されている。ワインやウイスキーに負けない熟成文化の域にある」と話している。

 1本(355ミリリットル)9000円(税別)で、600本の限定。購入できる小売店の問い合わせは同社(0258・74・3101)。