幕末の志士、坂本龍馬が慶応3(1867)年に京都で暗殺される5日前に記した直筆の書簡が見つかり、3月4日に開幕する「志国高知・幕末維新博」に大きな弾みとなった。県は13日に東京都内で記者会見し、尾崎正直知事は「龍馬が大政奉還後に新たな時代を作ろうとした動きが分かる最重要史料。『新国家』に向けた意気込みが伝わってくる」と興奮気味に語った。【錦織祐一】

 記者会見では、書簡を鑑定した一人の宮川禎一・京都国立博物館上席研究員が意義を解説した。筆跡に加え、龍馬が直前に福井を訪れて同藩士の三岡八郎らと面会していたことを示す他の史料と書簡の内容が一致することから「疑う余地のない龍馬の親筆」と説明。「『新国家』という言葉が幕末でどういう意味を持っていたかは検討が必要だが、恐らくは現代の意味の通りだろう。間違いなく一級の史料」と評した。

 尾崎知事は書簡を幕末維新博の開幕に合わせ、県立高知城歴史博物館(高知市追手筋)で一般公開すると発表。「龍馬の息吹を感じに博覧会へ来てください」と呼び掛けた。

 会場には、龍馬や三岡の子孫のほか、当時は前福井藩主だった松平春嶽と、書簡の宛て先の同藩重臣・中根雪江の子孫も同席した。

 坂本家10代目当主の坂本匡弘(まさひろ)さん(51)は「書簡が大政奉還から150年の節目に見つかったのは、龍馬が導いてくれたとしか思えない。ご子孫と一同に会することができたのも龍馬のお陰」と感謝。三岡の子孫の三岡慶胤(よしたね)さん(39)は「八郎は新政府の財政基盤が弱いときに命懸けで近代国家の基盤を作った。功績はあまり知られていないが、書簡発見を機に広く知ってほしい」と語った。