「汚部屋」や「ゴミ屋敷」という言葉が、メディアでも多く取り上げられています。ズボラな性格が災いして、気づいたら…なんてこともあると思いますが、中には、病気の影響で捨てられない人もいるといいます。その名も、「ためこみ障害」。いったいどんな病気なのでしょうか?

「ためこみ障害」って?

精神疾患のひとつに、「強迫性障害」というものがあります。家を出た後に、「あれ、ドアに鍵かけたっけ?」と不安になり、戻って確認してしまうことはありませんか? その程度なら、特に問題はないそうですが、これも度を越してしまうと、行っては戻りを繰り返し、遅刻してしまうこともあるそうです。

一度確認しに戻ったにもかかわらず、ドアを離れるとまたすぐに不安になる…。何度やっても不安が解消されない状態が続く時は、「強迫性障害」の可能性アリ。

その強迫性障害の症状に「物を過剰に収集し、捨てることが出来ない」というものがあり、これを「強迫性ためこみ」と呼ぶそう。そして、この「強迫性ためこみ」の症状が、「ためこみ障害」とされています。

ちなみに、「汚部屋」や「ゴミ屋敷」の原因になる精神疾患は、強迫性障害だけではありません。「ADHD(注意欠如・多動性障害)」や「統合失調症」の患者にも、ためこみの症状が出ることがあるそうなので、「もしかして?」と心当たりがある時は、専門医に診てもらうと安心ですね。


「ためこみ障害」の治療法は?

自分だけでなく、パートナーや子どもにこの症状が見られることもあります。その場合、片付けができないことに対し、「片付けなさい!」「片付けないと捨てちゃうよ!」などと叱るのは避けたほうが良さそう。頭ごなしに叱ることで、ストレスを与えてしまい、逆効果になることもあるそうです。

また、勝手に片づけるのもNG。傍から見ればゴミに見えるものでも、本人にとっては、そうではないかもしれません。本人の意思を無視して勝手に捨てると、癇癪を起したり、ショックでふさぎ込んでしまったり、治療が遅れてしまうこともあるそうなので、要注意。

ためこみの期間が長ければ長いほど、自分で掃除できる限界を超えやすくなります。そうなると、業者や自治体に頼らなくてはいけなくなり、金銭面の負担も膨大に…。また、事故や火災の危険性も指摘されています。少しでも不安がある時には、早めの受診を!
(文・小野由美子/考務店)
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