10月3日、東京工業大学栄誉教授の大隅良典さんが2016年ノーベル生理学・医学賞を受賞しました。細胞内部の自食作用、『オートファジー』の研究に取り組み、その仕組みを解明したことが受賞した理由だそう。と言ってもなんのことか、さっぱり…。実はこのオートファジーとは、難病解決のきっかけや美容にも効果を発揮しそうな潜在能力があるのだとか。

オートファジーってどういう意味?

読売新聞によると、オートファジーとは、ギリシャ語の「自分(auto)」と「食べる(phagy)」を組み合わせた造語だそう。「自分を食べる」…簡単に説明すると、栄養が足りなくなった細胞が、タンパク質などを膜で包みアミノ酸に分解します。アミノ酸はタンパク質の合成に必要な材料。ということは、オートファジーによって、古いタンパク質が新しいタンパク質にリサイクルされていると考えると、わかりやすいかもしれませんね。

オートファジーがアルツハイマー病にも関係している?

理化学研究所の発表によると、アルツハイマー病の主な発症原因の1つにアミロイドβペプチド(Aβ)の蓄積があげられるそうです。Aβが脳内に蓄積することで、アルツハイマー病に特徴的なアミロイド斑を形成するとのこと。通常はオートファジーの機能がAβを分解、リサイクルすることによって、健康に保たれているのですが、オートファジーの機能が損なわれると脳内のAβの量が上昇し、アルツハイマー病発症に結び付く可能性があるのだとか。

つまり、オートファジーの研究が進めば、アルツハイマー病の予防や治療もできるようになるかもしれないということらしいです。


実はお肌にも深い関係が…

化粧品で有名なポーラ化成工業株式会社は、2009年から美容液の商品開発にオートファジーを役立てているといいます。

オートファジーの機能が低下することで、お肌の細胞の浄化システムである「オートファジーサイクル」も停滞し、老廃物が蓄積してしまうそう。それを防ぐために効果的な「アマチャエキス」を使用した商品が、すでに発売されています。現在は値段がちょっと高めなのですが、実用化が進めばもう少し安くなるのかも? 近い将来、オートファジーが美容業界をけん引する存在になる可能性もゼロではありませんね。

アルツハイマー病以外にも、ハンチントン舞踏病、パーキンソン病にも関係し、発がん予防にも重要とされるオートファジー。研究が進み、それらの病気の特効薬ができることを願うばかりです。
(文・山本健太郎/考務店)
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