子どもがいるからこそ、ご近所とは良好な関係を築きたいもの。騒音トラブルで関係が悪化してしまっては、安心して育児をする環境ではなくなってしまうことも…。

子どもがいる家庭が気を付けるべき生活音について、銀座誠和法律事務所の井上雅弘弁護士に聞いた。

「生活音のトラブルの相談は、騒音に悩む側、苦情を受けた側どちらからもコンスタントにあり、珍しい案件ではありません。子どもが関わる騒音トラブルも多いです。とはいえ、子どもは本来騒ぐもの。部屋の中で走ったり騒いでいたりしたら注意をするなど、親のしつけが大切です。傾向としてお子さんを夜9時前後には寝かし付ける家庭が多いため、夜間の苦情は少ないですね」(井上弁護士 以下同)

一般的に多いクレームに、子どもの出す音、楽器、生活音などがある。鉄筋コンクリート製の建物の場合、声や音楽よりも、壁や床を伝っていく振動音が響く。足音やクローゼットなどのドアの開け閉めといった生活音は、子どもが出しやすい音のため要注意だ。

また、都心は立地の関係上、分譲住宅などは隣家との距離が近い。隣家の室外機の音が気になるという苦情も多いのだとか。

●違法性を判断するには、まずは音の測定を

では違法性のある騒音とはどのようなものなの?

「騒音の違法性を確かめるには、まず音の大きさの測定をします。音は人によって聞こえ方が違い、ストレスに感じる音も個人によって変わります。神経質な方は、小さな生活音でも気になるようになったら、ストレスに感じるかもしれません。客観的な基準として、国や市区町村が定めたものがあります」

音の大きさをデシベルといい、測定器で一定期間測り証拠として提出する。これは騒音被害に遭った側、苦情を受けた側どちらでも、使えるものだそう。

環境省が出す環境基準として一般的な住居の数値は、昼間は55デシベル以下、夜間は45デシベル以下となっている。(参考:環境省「騒音に係る環境基準について」)これに違反していたとしても、すぐに違法になるとは限らない。

「違法性のある生活音を出していた場合、するべきことは誠実な対応を見せることです。すぐにバタバタと走ってしまうお子さんには、スリッパやルームシューズを履かせてみてもいいようです。目に見える防音対策を行い、不快に感じている相手へ謝罪に行きましょう」

●感じ方が主観的な音の問題 結局大切なのは○○

また、相手との関係性によっても、音の聞こえ方は変わってくるとか。廊下で会ったら挨拶をする、子どもを連れて挨拶に行くなど、普段からしておくといいそうだ。

「知らない家庭の子どもがうるさくしていると腹が立つものですが、知っている子なら、『○○さん家の□□ちゃんは、今日も元気だな』と捉え方が変わってきます」

一度気になると、継続して気になってしまうのが生活音。人によって感じ方が違う問題だからこそ、良好な人間関係の構築がポイントのようだ。
(ノオト+石水典子)