【うまい酒】飲んべえのための「ライブハウス飲み」の楽しみ方【ヒョイ飲み】

第11回 四谷のライブハウス「アウトブレイク」は飲んべえの楽園!

イギリスなんかだと、パブ(パブリック・バー)という、みんなが集まる安い飲み屋さんがあって、そこでバンドの演奏なんかもあって、それを見ながら酒を飲むという文化があるそうなんですね。そうしたところで演奏するバンドを総称したジャンルがパブ・ロックと言って、それがパンクの発祥になったという話もあります。

僕はパブ・ロック系のバンドが好きだったりするので、「いいなぁ、イギリス。そういうの楽しそうだなぁ」なんて思っていたわけです。
いや、基本的に日本のライブハウスも分類上は飲食店なので、どこもアルコールを出しているんですが、これがヒドいわけですよ。ベコベコのプラカップに入れた薄ーい酎ハイを500円とか600円とかで出すわけですよ。普段、酎ハイ300円! なんて安い居酒屋さんで飲んでる身からすると、どうにも納得いかない。ここで飲むくらいなら、ライブ終わってから居酒屋さんに行って飲むよ! なんて気分になるわけです。いや、本当は我慢できなくて、ライブハウスで何杯も飲んじゃって、後で後悔するんですけどね。
そんな中で、ここなら飲んじゃうよなぁ、と思っている数少ないライブハウスが四谷の「アウトブレイク」なんです。

【うまい酒】飲んべえのための「ライブハウス飲み」の楽しみ方【ヒョイ飲み】

四ツ谷駅から徒歩6分。新宿通り沿いです。

えー、実はワタクシ、高校生の頃から活動をはじめて、いまだにやってるというバンド歴30年以上のバンドおやじなんですね。
で、ここ数年一番お世話になってるのが、この「アウトブレイク」なんです。

【うまい酒】飲んべえのための「ライブハウス飲み」の楽しみ方【ヒョイ飲み】

野獣のリリアンと言います。11人編成とやたらとメンバーが多いです。最近CD出しました。

とにかく面白いハコなんですよ。朝5時からスタートして午前中で終わる早朝ギグなんてイベントやったり、トイレ工事とノイズバンドのコラボライブをやったり、とにかく店長の佐藤さんがアイディアマンでフットワークが軽い。たぶん、今、日本で一番おもしろいライブハウスなんじゃないかと思っております。
で、出演したり見に行ったりしていて、感じるのは、ここのドリンクへの力の入れっぷり。飲み放題イベントをやったり、あのキンミヤ焼酎とのコラボイベントをやったり。

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キンミヤと「アウトブレイク」のコラボTシャツなんかもあります。

お酒も二杯目からは400円だったりするので、つい何杯も飲んでしまうわけですよ。ちゃんとお酒が美味しいし。
そうだよ、ちゃんと納得するお酒を出してくれれば、おれらだってちゃんと飲むんだよ!
というわけで、佐藤店長にライブハウスのドリンク事情について聞いてみました。どうしてライブハウスの酒って、あんなに高いんですか?

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店長の佐藤学さん。ギタリストとしてステージに立つこともある。

佐藤:まぁ、ライブハウスはそこで利益を出しているというところもあるんですよ。

ーー入場料だけじゃ利益が出ない?

佐藤:だいたい売上の三割くらいはドリンク代が占めてるんですよ。

ーーじゃあ、ドリンクがたくさん出た方が利益が出るってことですよね。

佐藤:だから、お客さんの年齢層が高いバンドって、ドリンクがたくさん出てうれしいということもあるんです。

ーーあ、そうか。若い子はあんまり酒飲まないもんね。おじさんバンドだとお客さんがそんなに入らなくても、お酒をいっぱい飲んだりすると、売上が高くなったりするのか。


佐藤:そうです。いかにお客さんに飲んでもらえるかが売上を左右するんですよ。おかわりしてもらえたら勝ちだった思ってます。

ーーライブハウスでもドリンクが800円のお店とか、酎ハイが薄くてまずいお店とかあって、ああいうところだとおかわりする気がしなくなるんですよねぇ。


佐藤:ああ、確かに。わけのわかんない焼酎使ってるところが多いですよね。少しでも利益だそうと、そこを安くして。うちは焼酎はキンミヤ使ってますからね!

ーー全部キンミヤなんだ。すごい!


佐藤:他にも焼酎は芋とか麦とか黒糖も用意してますよ。あとは、割り物でも、お酒の濃さを選べるんです。薄め、普通、濃い目と。濃い目でも値段は一緒ですよ。

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酒飲みのかゆいところに手が届くサービスの良さ!

ーーそれじゃ、損しちゃいませんか?

佐藤:でも濃い目を頼む人は、必ずおかわりしてくれますからね。

ーーおお! 酒好きなわけだもんね。なるほど!

佐藤:あと夏限定で凍ったレモンを入れたレモンサワーを出してるんですが、これも売れてますね。600円なんですけど、同じグラスでの追加チューハイが400円。「そのままのグラスで二杯目、三杯目がウマイ」って書いたら、みんなおかわりしてくれました(笑)。

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▲もういかにも美味しそうなコピー!

ーーあ、それは前におれも飲みましたよ。確かにああ書かれるとおかわりしたくなるもんなぁ。ところで、「アウトブレイク」は飲み放題もやってますよね。

佐藤:毎週火曜日は、飲み放題になってます。


ーーあれ、普段のワンドリンク500円と同じ値段で飲み放題でしょ? 大損になるんじゃないですか?

佐藤:まぁ、それはそうなんですけど、そもそも飲み放題って、名古屋のライブハウスで昔からやってるところがあるんですよ。オーナーに話を聞いたら、赤字かと思ったら、意外にそうでもないぞ、と。


ーーえ、どうしてですか?

佐藤:飲み放題って言うと、お客さんが帰らないんですよ。普通だと、目当てのバンドが出るまで近くの居酒屋さんで飲んできたり、目当てのバンドが終わったら、すぐに帰って居酒屋さんに行ったりするじゃないですか。でも飲み放題だと早く来てくれたり帰らなかったりするから、お客さんがいっぱいいることになる。そうなるとバンドだってうれしいじゃないですか。


ーーあ、確かに。出演する側としては、できるだけお客さんがいた方がうれしいです。

佐藤:そうするとバンドが、「アウトブレイク」はいいハコだからまた出たいと思ってもらえるわけですよ。ライブハウス側にとって、それは大きなメリットなんですよね。


ーーなるほど。単なる売り上げの数字以外も見ていかないといけないと。あと、「アウトブレイク」って、フードを出す時がありますよね。モツ煮とかたこ焼きとか、出店みたいにして。

佐藤:あれはフード出店してくれる人がいるんですよ。持ち込み屋台。今は週一くらいで、誰かがフード出してくれてるかな。

ーーあれって出店料みたいなの取ったりするんですか?


佐藤:取らないですよ。もともとウチではフードは出してないから食い合うことはないし、お酒も進むじゃないですか。だいたいみんなお酒に合うものを作ってくれるし(笑)。

ーーなるほど!

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そんなことを言ってますが、実は僕もフード屋台を出したことがあるのでした。ちゃんと完売しましたよ!

佐藤:最近多いのが、500円で食べ放題っていうの。料理をどんどん作っていって、食べていってもらうの。ライブだとバンドとバンドの間が10分くらいじゃないですか。その時間でオーダー受けて作ってってやってるとキツイ。それならどんどん作っていく方が理になかってるなと。

ーー前に僕も食べたけど、あれは確かによかったな。満足感がすごくある。

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僕が以前食べたのは、投げ銭(値段は自由)システムでした。いや、これはお得感あったわー。


佐藤:平日のライブなんかは、みんな仕事終わってから見に来るじゃないですか。早い時間だと食べてくるヒマもないから、最後まで見てるとお腹空いちゃいますよね。そういう意味で、フードがあるといいんですよ。

ーー後でちゃんと食べに行くにしても、ちょっとだけ何か食べたいって時、ありますもんね。僕なんかは酒飲む時は、絶対につまみが欲しいから、何かしら欲しい。


佐藤:うちでは最近ゆでたまごを始めたんですよ。一個50円で、結構お腹のたしになるでしょ。

ーーおお、なぜゆでたまご?


佐藤:あれ、いっぱい作るの楽なんですよ。めったに失敗とかしないし。ゆでたまごの売り上げがたまったら、板東英二さんを呼ぼうなんて話してます(笑)。

ーーははは。しかし、色々考えますねぇ。


佐藤:よく言うんですが敵は居酒屋さんなんですよ。僕も他のライブハウスを見に行く時とか、つい居酒屋さんに寄ってっちゃったりする。でも、最初からうちに来て飲んでもらえればうれしいし、ライブが終わった後の打ち上げもウチでやってもらえれば、もっとうれしい。

ーーライブハウスも居酒屋さんに対抗できるだけのホスピタリティがあるといいですよねぇ。じゃあ、最後にライブハウスで酒を楽しむ時に注意するべき点とかありますか?


佐藤:うーん、そうですね。実はビールも美味いお店、まずいお店があるんですよ。

ーーあ、ビールサーバーの掃除をこまめにやってるかどうかですよね。


佐藤:そうです。ビールが美味いお店は、ちゃんとしてるから、他の酒も美味いです。だから一杯目はまずビールを飲んで判断するとかね。実はお店にとってはビールは原価が高いから、利益が薄いんだけど(笑)。

では、そろそろライブを見ながら飲みますかね。言われたとおりに、まずは一杯目はビールにします。「アウトブレイク」のビールはハイネケン!
おつまみには、「アウトブレイク」名物・ゆでたまご(1個 50円)。

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何種類もの塩やマヨネーズが用意されてるのはうれしい限り。

【うまい酒】飲んべえのための「ライブハウス飲み」の楽しみ方【ヒョイ飲み】

あー、ビール美味し。

ゆでたまごも美味し。この日はバンドが用意したお菓子がテーブルに置かれたりするので、これまたおつまみに最高。

【うまい酒】飲んべえのための「ライブハウス飲み」の楽しみ方【ヒョイ飲み】

ゆでたまご、いいつまみになるんですよね。
二杯目は特製レモンサワー行っちゃおう。そうなるとおかわりもしないとなぁ……。

【うまい酒】飲んべえのための「ライブハウス飲み」の楽しみ方【ヒョイ飲み】

レモンのホロ苦さがたまりません。確かに二杯目も美味しかった……。

お店情報

四谷アウトブレイク

住所:東京都新宿区四谷2-10 第2太郎ビルB1
電話:03-5368-0852

※金額はすべて消費税込です。
※本記事の情報は取材時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新情報はお電話等で直接取材先へご確認ください。

書いた人:安田理央

【うまい酒】飲んべえのための「ライブハウス飲み」の楽しみ方【ヒョイ飲み】

1967年生まれ。フリーライター、居酒屋お通しコレクター、アダルトメディア研究家、ニューウェーブ歌手、イベント司会、駅弁大会エバンジェリストなど、色々。好きなサッポロ一番はしょうゆ味。

Twitter:@rioysd

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