大人なら一軒は欲しい「マスター、いつもの」と言えるバー。熟練バーテンダーに男が飲んでカッコいいカクテルを聞いた【福岡】

こんにちは。メシ通レポーターのあずま梓です。

あなたには、「行きつけのバー」はありますか?上司に叱られた日も、プレゼンに勝った日も、恋人と別れた日も、行って話したくなるマスターのいる、馴染みのバーって良いものです。

いつだって、黒服のバーテンダーは優しく微笑み、努力を労い同情し、ほめてくれ、叱咤激励し、泣いていたら気づかぬフリ。その時まさにそうして欲しいように、立ち居振る舞ってくれます。空気を読めるバーテンダーの接客ほど、労働者をいやすものがあるでしょうか。

今回は、心地よい適度な距離感で、でも気さくに話せる、気軽だけれど肩の凝らないそんな素敵なバーに伺いました。わたしがかれこれ20年、うれしい日も悲しい日も立ち寄っては日々の重荷を降ろし、明日への活力をチャージしているお店です。

大人なら一軒は欲しい「マスター、いつもの」と言えるバー。熟練バーテンダーに男が飲んでカッコいいカクテルを聞いた【福岡】

こちらが、そんなジガーバー・ラグタイムの田中和久マスター。この場所で独立してはや20年の大ベテラン。当時からの常連客もいれば最近通い始めた若者も多く、週末ともなると幅広い年齢層のお客さんでカウンターはいっぱい。一人で来たお客さんも、周囲の常連客とすぐに仲良くなって、盛り上がっています。

テーブル席も広く、パーティや二次会利用の予約も多いお店です。

さて田中さんにご質問です。


──最近、男性がよく飲むお酒はどんなものですか?

「バーボンをロックで飲む人は昔から多いけれど、最近はあまりお酒独特の香りのきつくないものが好まれる傾向にあって、ウイスキーを避けてカクテルを飲む男性も、増えてきましたよ」

──男性が飲むカクテルと言えば、やはりカッコよくマティーニかな?

「それが、最近マティーニよりずっと良く出るカクテルがあるんです」

えっ、“カクテルの帝王”マティーニ超え! それはどんなカクテル!? いや、ちょっと待って。答え合わせは早すぎても面白くありません。


──それでは、お店で男性に人気のカクテルを、マスターのおすすめ順にいくつか紹介していただけますか?

「分かりました。じゃあ、五つほど」

題して、
「ベテランバーテンダー推薦! バーで男性が頼むと格好いいカクテルBEST5」


じゃじゃんっ!

第5位:ハイボール(700円)

大人なら一軒は欲しい「マスター、いつもの」と言えるバー。熟練バーテンダーに男が飲んでカッコいいカクテルを聞いた【福岡】

オーダー数では断トツの第1位だそうですが、カッコ良さでは5位。

理由は「最近は、バーでなくても飲めるようになったから」。でももちろん、熟練のバーテンダーが作るハイボールは、分かる人には歴然とその違いが分かるものです。中には「この人の作るハイボールが最高」という「推しバーテンダー」のいる人もいますね。

このお店は、元がサントリー系列店だったこともあり、特に指定のない場合サントリー「リザーブ」を使用しています。もちろん、銘柄を指定することもできます。

ちなみにわたしは、田中さんにすすめられて、20歳の頃からトリス一択です。当時は周囲のオジサマ方から「渋い酒を飲んでるね」「トリス、懐かしい」とさんざん言われたものですが、時代は変わるものですね。レモンピールとの相性が抜群で、何杯でも飲めてしまいます。

ぜひ一度、お試しください。

第4位:ジン・トニック(800円)

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ラグタイムのオーダー数ランキングでは2位。世界中で飲まれていて、甘くて飲みやすいため、男女問わず大人気のカクテルです。

ラグタイムは基本的にレモンで作りますが、ライムに変更も可能です。

第3位:XYZ(900円)

大人なら一軒は欲しい「マスター、いつもの」と言えるバー。熟練バーテンダーに男が飲んでカッコいいカクテルを聞いた【福岡】

アルファベットの最後の三文字を名前に冠したショートカクテル。

「これで最後」という意味で、シメや寝酒に飲むという人も「最上級・究極のカクテル」という意味だという説もあります。ラムをベースにコアントローというオレンジリキュール、レモンジュース。シェイカーを振って作ります。コアントローが、甘さの中にスパイスや、果皮や花のフレーバーを豊かに湛えた複雑な味わいを持つので、こんな小さなグラスの中ですが、一口ごとにいろんな思いがあふれ、交錯するような深い香りと味を感じることができます。やや辛口。

大人なら一軒は欲しい「マスター、いつもの」と言えるバー。熟練バーテンダーに男が飲んでカッコいいカクテルを聞いた【福岡】

ちなみにショートカクテルは「ショートタイム・カクテル」の略で短時間で飲むことが前提とされています。のんびりと時間をかけているとぬるくなってしまい、味わいが落ちてしまいますので、ご注意を。キュッとカッコ良く飲んでください。実際に飲んだ感覚では10分以内に飲み干せば、最後までおいしくいただけると思いました。ただとても度数が高いお酒なので、アルコールの弱い方はご注意を。

第2位:ゴッドファーザー(900円)

大人なら一軒は欲しい「マスター、いつもの」と言えるバー。熟練バーテンダーに男が飲んでカッコいいカクテルを聞いた【福岡】

スコッチベースに杏仁(杏の種)のリキュール・アマレットを足したカクテル。

名画『ゴッドファーザー』(1972)の公開間もなく生まれたそうです。アーモンドみたいな香りのアマレットの甘苦さと、スコッチの切れ味が絶妙な、上品で複雑さのあるカクテルです。強いけれど、ちゃんと毎日バーテンダーが手で削った丸氷を使っているので、ゆっくりと時間をかけて楽しめます。

ベースのスコッチは一般的なバランタインを使用。こちらももちろん、銘柄を指定することができます。好みのスコッチと比べてみるのも乙。

ちなみにウイスキーをウォッカにすると「ゴッドマザー」というカクテルになるので、デートで恋人に「こっちが飲みやすいよ」とすすめるのも乙。

では、いよいよ堂々の……。


第1位:カミカゼ(900円)

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冒頭に書いた「最近、マティーニの人気を超えたカクテル」というのが、これなんだそうです。オーダー数が徐々に増えているとか。

キリッとした切れ味の鋭さが、日本海軍の神風特攻隊を彷彿とさせる、という名前の由来を持つ、アメリカ生まれのカクテルです(諸説あり)。ウォッカが60ml入っているので、ウイスキーと変わらない37〜38度という強さながら、ヨード香(薬っぽい匂い)がないし、甘くないので特に男性に人気だそうです。「ラグタイムに来たらこれを飲め」と推す常連さんもいるそう。

参考になりましたでしょうか。もし飲んだことのないカクテルがありましたら、一度お試しいただきこの中の一つでも、あなたの「いつもの」になれたら、光栄です。

一人でもふらっと立ち寄りやすい、ラグタイム。カウンターに腰掛けると、ごく自然に田中マスターが声を掛けてくれます。おしゃべりが好きな人か、黙って静かに飲みたい時間なのか察してくれるので、どんな気分の時でも安心して立ち寄ってみてください。

フードメニューについて聞いてみた

広いテーブル席もあり、パーティや二次会利用も多いラグタイム。団体の予約があれば、鍋やデザート類も用意してくれます。常連さん同士の結婚披露パーティに、何度利用されたことか……。

そうそう、このお店で出会って結婚したカップルは、この20年で7組に上るそうです。そのほとんどをわたしも知っていますが、なぜでしょうね、わたしがその恩恵に預かれないのは……(遠い目)。

それはさておき。

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▲人気メニュー、ミックスピザ(850円)

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▲チキンとポテトのハーフ&ハーフ(850円)

フライドチキンのみのチキンバスケット(800円)、ポテトのみのフライドポテト(650円)もあります。

「おつまみなら、5種類の「チーズの盛り合わせ」(900円)。カマンベールとスモークチーズ、クリームチーズ、プロセスチーズ2種。もっとしっかりお腹を満たすなら、パスタ(800円〜)もあります」

と、そのときちょうどわたしの背後のテーブル席に座っていた男性が

「何か、スイーツメニューはありますか?」と田中さんに聞きました。

「アイスクリームやフルーツの盛り合わせをご用意できます」

おお、20年間お酒しか飲まなかったから、知らなかった(笑)。

マンネリを打破したいときも、マスターに相談だ

ご紹介したスタンダードなウイスキーやカクテルの他にも、このお店には変わり種があることも多いんです。

この日もマスター、

「こんなの、知っていますか?」

とニコニコしながら見たことのないウイスキー瓶を見せてくれました。

大人なら一軒は欲しい「マスター、いつもの」と言えるバー。熟練バーテンダーに男が飲んでカッコいいカクテルを聞いた【福岡】

えっ、グレーンウイスキーって書いてある! 単体で!?

「そう。グレーンだけのウイスキーなんて珍しいですよね。」

ウイスキーと言えばシングルモルトかブレンデッドですが、通常ブレンデッドウイスキーはモルトとグレーンをブレンドして作られます。

ですがこのたび、グレーンウイスキー「知多」が出たそう。
知多蒸留所で造られ、さまざまなブレンデッド銘柄を構成してきたグレーンウイスキーを、単体で楽しめるよう磨き上げたという銘柄のようです。

初めてなので、まずはテイスティンググラスに注ぎ、ストレートでいただきました。
ストレートでは華やぎに欠ける気もしますが、ハイボールにすれば美味しそう。

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今宵、もう一つ紹介されたのがこちらの地ウイスキー「あかし」。

江井ヶ島酒造ですって。初めて聞きました。地ウイスキーという言葉も、初耳でした。

「面白そうなお酒を見かけたら、入れるようにしています」

と田中さん。気分を変えたいとき、冒険したいときは、

「マスター、いつもの」

でなく、「今、何か面白い銘柄ある?」

なんてたずねてみても、楽しい出合いが待っているかも知れません。

さあ、飲みすぎたようです。そろそろ帰りましょう。酩酊、茫洋。これ以上飲むと、レンズのピントを合わせる自信がありません。男性に限らず、辛党・酒豪の皆さんにおすすめしたいカクテルばかりでした。

お店情報

サントリー ジガーバー・ラグタイム

住所:福岡県福岡市中央区天神3-2-20 名村ビル2F
電話:092-751-8368
営業時間:19:00〜翌2:00
定休日:日曜日
チャージ:無料
席数:48席(50人以上収容可。貸切・パーティ利用応相談)

※金額はすべて消費税込です。
※本記事の情報は取材時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新情報はお電話等で直接取材先へご確認ください。

書いた人:あずま梓

大人なら一軒は欲しい「マスター、いつもの」と言えるバー。熟練バーテンダーに男が飲んでカッコいいカクテルを聞いた【福岡】

福岡県生まれの40代。地元情報誌の編集・ライターを経て2000年独立。現在コピーライター、エディター、プランナー、ディレクターとして、主に紙媒体と映像を中心とした広告制作に携わる。趣味は料理と食べ歩きと俳句。

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