本格ピザと生ビールがウリの……銭湯? 風呂あがりの楽園で昼間から昇天してみた

銭湯に行って風呂あがりにビールを飲む。至福以外の何物でもありません。
その「お供」といえば、焼き鳥、モツ煮など下町っぽいイメージが浮かんでくるものです。

今回取材する銭湯「蒲田福の湯」は店内でピザを食べることができるのです! しかも本格的なピザ窯を使い、注文を受けてから焼きあげる、それはそれはうまいピザを風呂あがりにいただくことができます。


銭湯っぽくなさすぎて気がつけない! 新築ピカピカの銭湯

本格ピザと生ビールがウリの……銭湯? 風呂あがりの楽園で昼間から昇天してみた

JR蒲田駅から徒歩約10分。小さな商店街を進んでいきます。

目的の銭湯「蒲田福の湯」はもうこの写真のなかに写り込んでいるのですが、皆さんお分かりでしょうか?

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答えはこちら! 通り右側の白い建物が銭湯「蒲田福の湯」です。

「答えはコレ!」 と言われても全然ピンとこないですね。

本格ピザと生ビールがウリの……銭湯? 風呂あがりの楽園で昼間から昇天してみた

正面から見るとこんな感じ。正面から見ても私達がイメージする銭湯とは別物かもしれません。

取材に同行した『メシ通』編集部員は「歯科医院」だと思ったようです。

本格ピザと生ビールがウリの……銭湯? 風呂あがりの楽園で昼間から昇天してみた

入口脇の提灯を見ると「福の湯」の文字が。間違いない、銭湯です。

その文字の下にFoo−Qooという表記があります。これは「福」という文字を口に出して読んだ時、英語圏の外国人にはFワードに聞こえてしまうため、誤解を防ぐためにつくったものだそうです。

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店内に入るとまず迎えてくれるのは下足箱。木札を抜くことでロックがかかります。

単純に靴をしまっているだけですが、この銭湯らしい行為にどこかほっとしました。

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大人料金460円を支払い脱衣場へ向かいます。

暖簾をくぐる……これも何気ないことなのですが、店内がきれいすぎて銭湯感薄めの「蒲田福の湯」です。この通過儀礼を行うことで、しっかりと銭湯モードに切り替わりました。

暖簾右上部にある「福の湯」のロゴマークもさりげなく可愛らしさを演出しています。

小さい中にもこだわりの工夫あり!

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暖簾をくぐると脱衣場になります。木目調のロッカーが並び、中段部分に物を置ける使い勝手の良いつくりです。

そしてなにより驚くのは流れているBGM。この日はOasisの『Don't Look Back In Anger』が流れていました。選曲はご主人の趣味なのだそう。ちなみに、開店当初はこれまたご主人が好きなスピッツの曲を流していたそうです。

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「福の湯」は床からブクブクと気泡が出るバイブラとジェットがついた大きめの湯船、そして岩風呂の2種類。

どこを見てもピカピカ、床は滑らないタイルが敷かれ、要所要所には手すりが設置されており、誰もが安心して使える銭湯です。

ボディーソープ、シャンプーは備え付け。タオルだけ持って気軽に利用できます。

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白を基調とした浴室内で目を引く岩風呂。ご主人いわく「ヒーリングブース」という名前なのだとか。

まるで露天風呂に入っているかのように涼しい風が吹き、鳥の鳴き声が聞こえてくるような感覚になります。

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涼しい風、鳥の声……錯覚でありませんでした。

青い矢印の部分はスピーカーになっており、ウグイスの鳴き声が流れています。
赤い矢印の部分、管に穴が空いているのが見えるでしょうか。そこから風が出てくるのです。

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さらに水中の壁面にはライトが埋め込んであり、太陽光が水面で照り返している様子を再現しています。

徹底していやしを追求したこの空間、名付けるならばやはり「ヒーリングブース」が相応しいです。

本格ピザをお供に、風呂あがりの一杯

さっぱりしてお腹を空かせたところで、「蒲田福の湯」名物、ピザをいただきましょう。

銭湯業界初(?)の本格ピザ窯導入店とはいえ、ピザって電子レンジに入れちゃえばできる時代ですよ。問題はクオリティ。ビールの味とアルコールでごまかしちゃうようなピザではいかんのです。

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フロントに座っているヒゲのお兄さんがご主人です。取材ということでガチガチに緊張されています。

もともとラーメン屋さんで長く働いており、ふと「俺は本当にラーメンが好きなのか」と自問自答したところピザが好きだと気付き、作りかたを研究、銭湯でピザを提供しようと思い立ったのだそう。

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奥にある赤い箱、これが主役のピザ窯です。
コンパクトながら450〜500度の高温でピザを焼き上げる超本格派。それでは早速注文してみましょう。

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注文を受けてから生地を伸ばし、

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トマトソース、チーズ、バジルをトッピング。

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仕上げにたっぷりのオリーブオイルをかけて、

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in the ピザ窯!

焼き上がりまで少し待ちましょう。

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食事ができる「蒲田福の湯」のロビーは、これまた銭湯にはなさそうなカウンター席とテーブルが1台。10人ほど収容可能です。

奥の壁面は和モダンな床の間のようになっており、ご主人の奥様がデザインを担当しています。

この部分以外の内装も奥様が担当しており、ご主人と二人三脚で新生「蒲田福の湯」をつくりあげました。

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どこに座ろうか、悩んでいる90秒ほどでこんがりとしたマルゲリータの完成です!

注文から3分ちょっとでこのクオリティ。ここが銭湯だと忘れてしまうほどの本格派ピザです。飲み物はもちろんビール。銭湯ですから、ワインとか洒落たものは不要なのです。

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ぼあぁぁーーー! うめえ!!!

ほ、本格的すぎる! ここが銭湯とは思えない、完全にピッツェリアのやつだ。

ピザの販売は土・日・祝日の17:00〜21:00。生地がなくなり次第終了です。超本格的なマルゲリータ(L:900円、S:400円)に加えてもう2種類あります。

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ひとつはバジルソースをたっぷりかけたジェノベーゼ(L:1,000円、S:450円)。ソースはお店でバジルを粉砕して作った自家製、癖のない自然な味わいに仕上がっています。ソースにはパルメザンチーズ、食感を演出する砕いたカシューナッツが混ぜ込まれています。

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もうひとつは幼少時代アメリカで生活していたご主人が忘れられないというアメリカンピザ(L:1,000円、S:450円)。ほどよくジャンキーな味わいで、ビールとの相性は抜群。

食べてみると鼻に抜ける香りが印象的でした。それもそのはず、オレガノ、バジル、パプリカ、タイムといったハーブ類を独自に調合しているのだそう。また、ピザに乗っているペパロニはアメリカ産にこだわり、幼少期の心に残った味を再現しています。

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そしてこちらは現在試作中、いずれメニューに登場するかもしれないミックスピザ。甘みが強く、お菓子のようにぱくぱく食べられます。

その甘みの理由はソースに使っているケチャップです。酸味をまったく感じず、言われないとわかりませんでした。ピザ窯の火力のおかげか、ちりばめられているコーンそのものの甘みも強いです。

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ピザはテイクアウトも可能。風呂に入らずピザだけの購入も大歓迎だそうです。

テイクアウトの箱代は大が100円、小は50円かかります。サイズ感は、大は大人の男性一人、小は子ども一人で満足できる量という目安で良いと思います。

ピザが育む、地域の銭湯

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ピザを食べながらご主人に話をうかがっていて思いました。この席の配置は、着席した人全員の顔が見られる配置なのです。ピザ、ビールを片手にさっぱりした気持ちで語り合う、銭湯が本来持つ役割「地域の交流の場」としての機能が、ピザのおかげでパワーアップしているように感じました。

銭湯で提供しているピザ。疑問符だらけで取材に来ましたが、そんじょそこらのイタリアンよりうまいです。加えて風呂あがりというコンディションが今まで経験したことのないうまさを演出してくれます。浸かって食らってください!

お店情報

蒲田福の湯

住所:東京都大田区蒲田1-12-15
電話番号:03-3732-1245
営業時間:14:00〜24:30
ピザの販売は、土曜日・日曜日・祝日の17:00〜24:00(用意した生地がなくなり次第終了)
定休日:木曜日

※金額はすべて消費税込みです。
※記事の情報は取材時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新情報はお電話等で直接取材先へご確認ください。

書いた人:毎川直也

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風呂が好きで、風呂デューサーを名乗り活動中。銭湯、スーパー銭湯、温泉旅館での勤務経験を持ち、銭湯に勤めながらメディア出演をしている。酒が弱いうえに小食なため、「メシ通」には間違いなく向いていないライター。

ブログ:銭湯、温泉探求録

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