京都市伏見区の「伏見いきいき市民活動センター(伏見いきセン)」で活動する大学生スタッフが編集した、伏見区を数値化したデータ冊子「マチノモト〜データノチカラ」が1月12日、発行された。(伏見経済新聞)

 データ冊子を編集した学生ら

 同センターは龍谷大学などと連携し「コミュニティ・ラーニング」をコンセプトに、学生と地域が共に学びながら活性化に取り組む活動支援を行っている。その一環として、大学生の有給メンバーが中心となって活動する「学生事業課 企(KUWADATE)」の運営も行っている。

 今回、そのメンバーで龍谷大学政策学部4年生の藤村凌さん、坂上庄成さん、中村拓弥さんの3人が中心となって同冊子を編集・発行した。

 冊子には「伏見区の人口流入と高齢化率」「伏見区の母子家庭世帯の割合」「伏見区の人口あたりの避難所の数」など11の項目がグラフで分かりやすく掲載されている。京都市の他の行政区との違いが一目で分かるのが特長。「単身高齢者とつながり」「母子家庭」「防災とコミュニティ」など、テーマごとに関連する専門家にインタビューを行うことで、数値データと実際の経験や活動をリンクさせている。

 冊子を作るきっかけについて、藤村さんは「昨年まで大学のゼミなどで町づくりを学んできたが、しっかりとした統計的な数字に基づいたものに触れる機会がなかった。話し合いでも『あの地域は高齢者が多いよね』という主観が先行しているケースが多々あった。調べてみると、実際には高齢者よりも子どもが多い地域というケースもあるなど、実態とのギャップがあった。そこで京都市のデータを調べようとしたが、Excel(表計算ソフト)に数字が並んでいるだけのものが多く、知りたい情報を知るにはハードルが高い。それなら自分たちで作ってしまおうと考えた」と話す。

 中村さんは「情報を集めて調べていくことは大変だったが、今ではそれがノウハウになっている。このノウハウを後輩たちに引き継いでいきたい」という。「伏見からスタートしたこの『学生データ化事業』が京都全体や他の地域にも広がっていってほしい」とも。

 「実際に作っていくと、いろんなことが見えてきた」と坂上さん。「例えば伏見区の人口の約28万人に対して、災害時に避難所にどれだけ収容できるのか調べてみたところ、10.54%しか収容できないことが分かった。この数字を見ることで、実際に災害があった場合の行動などを家族や地域の人と話し合うきっかけにしてほしい」と呼び掛ける。

 200部を無料で配布する。問い合わせは伏見いきいき市民活動センター(TEL 075-646-4274)まで。