安倍夜郎の人気コミックを映像化したテレビドラマの劇場版第2弾『続・深夜食堂』(11月5日公開)。深夜になると開店する食堂を舞台に、あらゆる事情を抱えた客たちの悲喜こもごもを描いた本作。そんな客たちの心をホッと和ませてくれるのが、小林薫演じるマスターが振る舞う料理の数々だ。

「できるもんなら何でも作るよ」という粋なマスターに、客たちが頼むのは、どこか懐かしい庶民的な料理。劇中、喪服を着ることでストレスを解消しているという変わり者の女性・範子(河井青葉)は、焼肉定食をリクエスト。豚肉ともやしと玉ねぎを炒めただけの素朴な見た目だが、胃袋をしっかり満たしてくれる元気の出る一品だ。

次は、なかなか子離れしてくれない母親に、年上の恋人との結婚を言い出せない蕎麦屋の息子・清太(池松壮亮)が注文した焼うどん。そば屋なのに焼うどんが好物だという清太が、焼うどんを豪快にすする姿は、観ているだけでお腹が減ってきて、よだれが出そうになるほど美味しそう!

最後は、体の芯から温まる豚汁定食。息子の同僚だと名乗る男に大金を渡してしまった夕起子(渡辺美佐子)だが、マスターの豚汁をすすると「おいしかです」と、満面の笑顔を見せる。マスターが心を込めて作った豚汁は、疲れきった体だけでなく心まで癒してくれるようだ。

ほかにも、サンマの塩焼きや、すき焼き、蕎麦、チャーハンなど、食欲を刺激する料理がズラリ。前作『深夜食堂』(15)やNHK連続テレビ小説「ごちそうさん」など、幅広く活躍するフードスタイリストの飯島奈美が、本作でも、色味豊かに、うまさがにじみ出るような料理を手がけている。

食欲の秋にピッタリの本作。寡黙だが頼りになるマスターと客が織りなす心揺さぶる人間ドラマはもちろん、観る者の心と小腹を満たしてくれる絶品料理の数々を堪能してほしい。【トライワークス】