ドラマ「彼岸島」の宮本兄弟が、今度はスクリーンで大暴れする。ドラマをパワーアップさせた映画のタイトルは、その名も『彼岸島 デラックス』(10月15日公開)。W主演を務めた白石隼也と鈴木亮平は、同じ事務所の後輩先輩でもある。2人を直撃し、がっつり共演したことで見えてきた互いの素顔について話を聞いた。

原作「彼岸島」は松本光司の人気コミック。吸血鬼伝説の残る孤島・彼岸島を舞台に、邪鬼(おに)と呼ばれる恐ろしいモンスターと戦う人間たちの姿を描く。白石は人間として邪鬼と戦う弟・宮本明役を、鈴木は吸血鬼になった兄・宮本篤役を演じた。

アクション満載の本作での過酷さを尋ねると、白石は「衣装が大変でした。真夏なのにブーツを履いて革ジャンを着てのアクションだったので」と言うと、鈴木も「あれはきつかったでしょ」と白石をねぎらう。

体を張ったアクションについて白石は「すごく安全を配慮して撮ってはいるけど、それでも痛いは痛いです」と述懐する。「でも、一緒にやっているアクション部の人たちは、骨が折れてようやく痛いと言えるようなタフな人たちだったので、僕たちも痛いとは言っていられなくて。いろいろと蹴られてアザだらけでしたし、ワイヤー痕は体中にありました」。

鈴木は、最後の兄弟対決のシーンの寒暖差にかなり体力を消耗したと言う。「地下にある採石場でのロケでしたが夏なのに極寒なんです。カイロを貼ってタイツを履いてやるんですが、気温差がものすごくて。やられてから床に寝転がるシーンはまるで冷蔵庫のなかのようでした。すごく眠くなり、このまま死ぬんじゃないかと本当に思いました」。

作品ごとにストイックな肉体改造をしてきた鈴木に、白石は感心しきりだ。「ハリウッドの場合だと1年くらいかけて体を作れるんです。でも亮平さんの場合は年間に何本も作品をやらなければいけないので、それを短期間でやっている。その準備期間だと、きっと普通はみんなが諦めていたはずなんです。それをずっと通してやっている人は亮平さん以外に見たことがない。アクションも上手だし、身近な先輩として刺激的な存在でした。だから今回は、亮平さんに負けないようにやらないと映画として成立しないとも思いました」。

鈴木は、後輩である白石を「すごくしっかりしている」と称える。「今回の彼は1人でずっと山形に泊まり込みで行っていて、1人でずっと戦っていたので、僕は引っ張っていってもらったという印象があります。僕は自分の出番をやって帰るというスケジュールでいたので、行く度に彼がだんだん彼岸島にいる人みたいに思えてきた。集中力がすごかったです」。

さらに「彼は自立心が強い。僕はよくストイックなイメージだと言われますが、実はちゃらんぽらんというか、もちろん芝居に対しては真面目にやりますが、人に甘えたりもするんです。でも彼は、他のところもしっかりしています」とほめちぎると、白石は「そうですか?」と驚く。

鈴木は「たとえば家とかもちゃんと保険などに入っているんだろうなというイメージです(笑)。後輩なので昔から知っていますが、生活もしっかりしてそうだし、抜け目がない感じです」と白石を見ている。

また、実際に彼岸島に行ったら、宮本兄弟のように戦いますか?と尋ねると、鈴木は「いや、無理でしょう」と即答する。「見つからないようになるべく隠れています。でも、イカダを作って逃げても海には邪鬼がいるだろうし。まあ、吸血鬼は吸血鬼で大変ですよね。絶対に血が必要なわけですから、みんなが吸血鬼になっちゃったら逆に困るし。難しいです」。

白石が「システムを作ればいいんじゃないですか。人間は吸血鬼に血をあげる代わりにその見返りとして畑仕事をしてもらうとか」と冷静に提案すると、鈴木は「政治家だねえ。社会の仕組みを考えてる。そうだね。リーダーになってやっていけばいいんだ」とうなずく。

白石は「血をあげるだけでいいのなら意外と簡単な気がします。吸血鬼だって人間を全部殺してしまったら食べるものがなくなるので困るだろうし」と続けると、鈴木は「こういうところですよ。彼は頭がいいんです」と笑顔を見せた。

インタビュー中は終始和やかな雰囲気だったが、『彼岸島 デラックス』では兄弟決戦で火花を散らす2人。その死闘をスクリーンで観戦して!【取材・文/山崎伸子】