最近読書していますか? 感受性や想像力を掻き立ててくれる小説は“心の栄養補給”と言われています。日が落ちるのもはやい秋。はやめに家に帰ってゆっくりと読書の時間を堪能してみてはいかがでしょう。

現代社会の家族問題 「スクラップ・アンド・ビルド」

行政書士を目指して勉強中の27歳の主人公。彼の母親は働きに出ており、昼間は認知症がはじまった祖父と一緒に過ごしています。そんな祖父の口癖は「早う死にたか」。
このままではいけないと思った主人公は、自分や家族の人生を立て直すべく、筋トレや求職活動をはじめ、そのことにより家庭環境は徐々に変わっていきます。
何事であっても、自分が積極的に動かなければ変わらないこと、そして、動けば必ず変わることを教えてくれる本作。この作品を読むと、自分も何か変えることができるかもしれないという希望が湧いてきます。

大人こそ読むべき小説 「ぼくは勉強ができない」

成績が悪く勉強ができない17歳の秀美だが、サッカーは得意だし、女子にももて、遊ぶに関して困ることはありません。しかし、学校に行くと、どこか息苦しさを感じてしまい、次第に学校が嫌いになってしまうのです。若干偏りのある考え方をする作品ではありますが、人生の本当の楽しみ方を教えてくれる作品でもあります。高校生向けの作品と思われがちですが、大人が読んでも影響力は強く、仕事が上手くいっていない人なんかは読んでみると、今までとは違う考え方が出来るかもしれません。昔読んだことがある人も、一度読み直してみるといいでしょう。

舞台は銀行から政治の世界へ 「民王」

企業や銀行について書いた作品が多い池井戸潤ですが、本作は政治の世界が舞台になっています。
主人公とその父親は、あることがきっかけで体が入れ替わり、誰にも気付かれないように生活してゆきます。この入れ替わった状態での生活がおもしろく、いつもの経済小説では味わえない池井戸潤のコミカルさを堪能することができます。新しい池井戸潤の魅力を垣間見ることのできる作品です。

久々の読書にぴったりの3冊。全く違ったジャンルの作品ですが、心揺さぶる名作をそろえてみました。読書の秋、どの本を読むか迷ったら、ぜひ今回紹介した小説から一冊手にとってみてはいかがでしょうか。