推理作家森博嗣のミステリー小説「すべてがFになる」は、2014年に武井咲・綾野剛でドラマ化、2015年にはフジテレビ「ノイタミナ」枠にてアニメとして放送された。ドラマ、アニメと続けて放送されても色褪せない魅力とは?

アニメとドラマは原作が違う!?

アニメとドラマでは表現の仕方が違うとはいえ、ドラマの放送後で内容も分かっていては面白くないのではと心配してしまう。しかし、その必要はない。何故なら同じタイトルでもアニメとドラマでは原作が違うからです。タイトルの「すべてがFになる」はS&Mシリーズと呼ばれるものの1作目のタイトルで、ドラマはこの「S&M」シリーズ全10作品から5作品を2話完結の形で映像化したものでした。それに対してアニメは1作品目の「すべてがFになる」と「四季」シリーズ全4作品を原作として制作されています。ドラマとアニメと内容は被らない形で、タイトルを同じにしたことで視聴者に分かりやすくなっているとも言えます。

原作者の許諾も大きな要因?

原作者である森博嗣さんは「すべてがFになる」をはじめとした、自分の原作を無条件で映像化していいとの許諾をしています。小説原作の場合、アニメ化に許諾を出さないという原作者も多く、この部分もアニメ化の要因のひとつではないでしょうか。森博嗣さんが快く許諾を出してくれたからこそ、アニメ「すべてがFになる」は作られたということを覚えておきましょう。そもそも森博嗣さんはもともと同人作家であり、そこで妻と出会っているという経緯からも読み取れる通り、オタクな部分があります。スカイクロラも含め、アニメ化は大変喜ばしかったのではないでしょうか。

ノイタミナという放送枠がアニメ化を実現

「すべてがFになる」を放送したフジテレビのノイタミナ枠は、一般的な萌え系深夜アニメの放送はほとんどなく、基本的に文芸作品やオリジナル作品が放送され、過去には四畳半神話大系もアニメ化されました。「すべてがFになる」は決してアニメ向きの明るく派手な話ではありません。逆に視聴者に理解を求めるタイプの作品だったため、ノイタミナ枠がなければアニメ化自体がなかった作品とも言えるのではないでしょうか。

1996年に第1回メフィスト賞受賞作「すべてがFになる」は、推理小説だけにストーリーは少し難解である。その原作を見事にドラマ化、そしてアニメ化したことでシリーズ全体のファンを増やしたことに間違いない。