三代目JSBの岩田剛典と「とと姉ちゃん」で今や時の人の高畑充希の主演で2016年6月に劇場公開された「植物図鑑」。オトナの胸キュンラブストーリーの原作者はもちろん有川浩です。今回は「植物図鑑」以外の優れた有川浩原作映像化作品を紹介します。

あたたかに描かれた片道15分の奇跡

有川浩の作品は魅力が様々ありますが、まずはこの作品をご紹介します。片道15分しかない小さなローカル電車である阪急電車が舞台となった2008年発売「阪急電車」。
2011年に映像化され、中谷美紀が白いドレス姿で赤い電車に乗り込むシーンは、非常に印象的でした。その他、戸田恵梨香、宮本信子などが演じる様々な登場人物によって織りなす人間関係が描かれており、一見オムニバス的な作品かと思わされます。しかし、すべてのストーリーはコトコトと走る電車のようにゆるやかに繋がりを持ち、偶然がもたらす小さな奇跡へと終着します。恋愛や人間関係、どの人物に感情を重ねるか、どんな展開を見せるのか、有川浩の人間を魅力的に描くという力が惜しみなく感じられる作品となっています。

表現の自由と愛の形を考える

有川浩ワールドといえばまさしくその代表例の1つとして、この「図書館戦争」が挙げられるのではないでしょうか。 2013年の映画化に続き、2015年にも公開された話題の作品です。
「メディア良法化」によって言論の自由と図書館の存在が弾圧され始めた近未来の正化31年。その検閲に対抗し人々の読書の自由を守るために結成された図書館の民間自衛組織である図書隊に、ヒロインの笠原郁(榮倉奈々)が入隊します。郁の担当教官となった二等図書正・堂上篤(岡田准一)は非常に厳しく接する一方で、要所で必ず助けてくれる堂上に、郁は徐々に惹かれていきます。人々の言論の自由と、人の愛の形をリアルに描いた図書館戦争。あなたにとって身近な人が、もっともっと大切に思える作品です。

航空自衛隊を舞台に夢とあり方を考える

最後に、有川浩作品といえば自衛隊を舞台として描かれることが多いのですが、その中でも航空自衛隊の広報室を描いた、2013年に新垣結衣と綾野剛によってテレビドラマ化された「空飛ぶ広報室」をご紹介します。
記者から左遷されたTV番組ディレクターの女性と航空自衛隊の花形であるブルーインパルスのパイロットの夢を交通事故により絶たれた広報室勤務の自衛官とのラブ・ストーリーに多くの女性が胸打たれたことでしょう。私もあの爽やかで幸せなラストシーンは大好きです。原作では、甘い恋愛要素は控えめとなっており、より自衛隊とは何か、マスコミとはどうあるべきか、諦めかけた夢とどう向き合うのかを深く思い至る作品となっています。登場人物の爽やかさや誠実さという魅力はそのままに重厚なストーリーを楽しむことができる作品です。

有川浩の作品から映像化されたものをご紹介しました。有川文学とも呼べる作品は、どれも人物が魅力的に描かれています。ストーリーも重みある題材を取り上げながらも、惹き込まれるように読み進めさせてくれるものばかりです。ぜひ注目されている有川浩の作品を読んでみませんか?