人生で一番輝いている青春時代。中高生が主人公の青春小説を読めば、一気に校舎の匂いや甘酸っぱい思い出に包まれます。今回は青春小説のジャンルから、映画やドラマにもなったおすすめの3冊をご紹介しましょう。

「青春探偵ハルヤ」福田栄一(東京創元社)

キスマイの玉森裕太主演でドラマ化。ひょんなことから友人に頼まれて探偵仕事を引き受けた青年を爽やかに、ライトなタッチで描いた青春小説です。
主人公の貧乏学生はアルバイト収入でやりくりしながら大学に通っている浅木晴也。報酬ありでストーカー問題を解決してほしいという友人の相談に乗っていくうちに、行方がわからなくなった「妹」の捜索も引き受けることになってしまいます。トラブルはどんどん雪だるま式に膨らんでいきますが、晴也は持ち前の行動力と探偵センスで切り抜けていきます。推理小説を青春真っ只中の主人公から描いた佳品です。

「横道世之介」吉田修一(文藝春秋)

2013年に高良健吾や吉高由里子で映画化された原作です。
地方から上京して初めてのひとり暮らしから生まれる喜怒哀楽を爽やかに描いています。大学生活をそのままきれいに詰め込んだような小説には、サークルやアルバイト、教習所、夏休みをはじめ淡い恋心やデートなど、胸をきゅんとさせるエピソードが次々と登場します。二十歳前後の若者だけが味わえる世の中と自分との距離の微妙さをベースにちょっと気弱な主人公・横道世之介がごく自然な日常で活躍する作品です。

「一瞬の風になれ」佐藤多佳子(講談社)

原作「一瞬の風になれ」は、第一部:イチニツイテ、第二部:ヨウイ、第三部:ドンの3部作。2007年に本屋大賞、吉川英治文学新人賞を受賞した。
神奈川県の高校陸上部を舞台に陸上競技にかける高校生を描いた極上の青春スポーツ小説だ。実在する陸上部を3年近くをかけて取材したことによるリアルで丁寧な描写に登場人物の熱い思いが感じられ読み手は心を奪われる。2008年2月、フジテレビ系列で4夜連続ドラマとして映像化された。

ふと自分の原点を振り返りたいとき、学生生活を思い出させる青春小説はピッタリといえるでしょう。明日に向かって真っ直ぐ生きていた時代は誰にもあったはず。日常のありふれたシーンを青年主人公の目線でもう一度見直すことで、新たな発見をしてみてください。