尾野真千子と江口洋介が主演をつとめる、テレビ朝日系列木曜ドラマ「はじめまして、愛しています。」。9月15日(木)よる9時から放送された第9話(最終回)では、突然ハジメを産みの親に奪われ絶望した美奈と信次が、ハジメとの生活を思い出すことで、自分の周りの家族の愛に気づき、再生してゆく。そして、ハジメがなぜ虐待されたのか? なぜ、ハジメの母親は我が子を愛することができないのか…。その秘密が明らかになり、すべての人が愛することに素直になってゆく…。ついに迎えた最終回。親と子だけに限らず、血縁に限らず、本当の愛は自分でつかむことができるんだという事を教えてくれるこのドラマ。

最終回ストーリー

ハジメ(横山歩)といつか暮らせるようになるまで絶対諦めない、と決意した梅田美奈(尾野真千子)と梅田信次(江口洋介)の二人。

児童相談所の職員・堂本真知(余貴美子)から、裁判に勝ってハジメを取り戻すことができる確率は限りなくゼロに近いと言われても、美奈と信次は諦めないと宣言。自分たち夫婦の方が、産みの親よりもハジメを養育するのに適していると訴える、監護者指定の申し立てをすることにする。

そして、美奈と信次は、自分たちの親に素直に「愛しています」と伝える。

ほどなく、法律は実母がするのが良いとされる法律を前に、監護者指定の申し立てが却下されたと連絡を受けた美奈と信次だったが、諦めずに上訴すると堂本に伝える。
そして美奈は、堂本にこれを今度長野に行く時渡して欲しいと一通の封筒を預ける。

自分の子供を愛せない産みの親

ハジメの様子を確認しようと、長野を訪ねた堂本。
あまり元気がない様子のハジメに、まだお母さんと話せてないの? と聞くと、ハジメはうつむいたまま頷くのだった。

堂本は、ハジメの母親・黒川泉(志田未来)の前にハジメを連れて行って、
「一日一回でも抱きしめてあげてください。あなたの産んだお子さんでしょ?」と言うが、
泉はハジメを前に逃げ出してしまう。

ハジメの長野での様子を聞きに児童相談所へ来た美奈。
堂本は、泉に美奈の封筒は受け取ってもらえなかったと話していると、養子縁組を堂本に断られた親が怒鳴り込んできて、泥水を堂本に投げつける。
よくあるんですか? こんなこと、と美奈が尋ねると、堂本は「地獄に行く覚悟でやっていますから」と答える。
すると堂本に電話がかかってきて、泉が死なせて欲しい、と遺書を残していなくなってしまったと泉の母親・黒川月子(富田靖子)から知らせられる。

泉が以前も自殺を図ったという海へ向かう美奈と信次。
美奈の脳裏には自分の母親が海に入って自殺することを止められなかったあの日の光景がよぎる。
美奈は必死で泳いで泉を助ける。

美奈と信次は病院に運び込まれた泉を前に
「この世界に何の理由もなく虐待する母親なんかいないと思うから」と泉にその理由を尋ねる。
暗闇から抜け出したいと思うから、ヒカリって名前をつけたんじゃないの? と美奈は泉に言う。

病院へ駆けつけた堂本と月子を前に、美奈は泉と話したい、とお願いする。

家で泉と話す機会を持った美奈。
美奈は渡すことができなかった手紙を泉の前で読み出す。
手紙にはハジメが家に来てからの日々を書き綴っていた。
自分はハジメに親にしてもらったと告白する美奈。
美奈は、なんとかハジメの母親にさせてもらえないか? と懇願するが、泉はうつむいたまま…。

美奈はピアノに近づきモーツアルトの「子守唄」を弾く。
これはハジメが教えてもいないのに弾きだした曲だと泉に伝えると、泉はその「子守唄」の歌を歌い出す。
子供の頃母親の月子がよく歌ってくれていたから、ハジメがお腹の中にいた頃から歌っていたという。

そして、自分にハジメを愛する資格なんてない…と話し出す泉。
17歳で妊娠した泉。
ハジメの父親は自分の父親だという。
ハジメが産まれてくることが恐ろしくて、…産まれてからも自分の子供を受け入れられなくて…。

全てを告白した泉をそっと抱きしめ美奈は「辛かったね…いままで一人で」と泉をそっと抱きしめる。
泉は「あの子に謝らなきゃ…」と号泣すると、
「きっと許してくれるわよ。ハジメはほんとに優しくていい子だから。きっといつかあなたにも言うはずよ。…僕を産んでくれてありがとうって」と美奈は泉に伝える。
「だからこれからはハジメを産んだことを恥じないで。今からでも遅くないから愛してあげて…。子供を大切にしないような行いは、どんな言い訳をしても人間として間違ってるのよ」と。

夜が明けて−−。

泉は月子に宣言する。
美奈たちにハジメを育ててもらいたいと。
反対する月子に泉は「自分が犯した罪に向き合わないと、私もお母さんも絶対に幸せになれないの…」と泣きながら訴えるのだった。

美奈と信次の元に戻ってきたハジメは、満面の笑みで二人の胸に飛び込む。
堂本が「お二人は最高の父親と母親です」と伝えて去ろうとすると、ハジメは堂本に手紙を渡す。
そこには「あいしています」と書かれていた。
堂本は、「これは私の勲章だ」と喜ぶのだった。

家族全員で集まってハジメを迎え入れた梅田家。
ハジメは美奈と一緒にピアノを弾く。

そして役所へ無事書類を提出し、正式にハジメの父親と母親になった美奈と信次 だった。

特別養子縁組が教えてくれること

誰もが幸せになる権利がある。
そんなテーマを感じさせる今回のドラマ。

以前特別養子縁組を扱ったドキュメンタリー番組を観たことがあったが、近親相姦、レイプなどこの世にはどうしようもない理由で妊娠出産する母親がいる中、養子縁組が産まれてきた子供、産んだ母親、里親になる母親と…3者が厳しい現実を前に、必死に幸せに生きる道を模索する姿を追ったものだった。
苦しみながら我が子を産みながら、愛情を抱くことを拒みながらも、我が子の幸せを願って養子へ出す母親たちの姿があった。
ドキュメンタリーなだけに、観た後はずっと気持ちを引きずられるような衝撃があった。

今回のドラマでは実際に児童相談所で何度も取材を重ねて脚本が書かれたというが、現実の世界と、フィクションの世界の間で推敲が重ねられた。

ドラマでは美奈は自分の子供を授かることができないという問題はなかったが、音楽を通じてハジメと出会って運命を感じた…とハジメの母親になろうとする。
最初はドラマっぽいと思ったこの設定も、最後は実はその「子守唄」が、深くそれぞれが失っていた母親への愛情ということで繋がり、それぞれの再生へと繋がってゆくという感動的なドラマだった。
ドラマであることで描く事ができる世界がある。

望まない妊娠で苦しむ女性や、親からの虐待で死んでゆく幼い子供達…。
決してなくならない難しい社会問題にも目を逸らさずドラマ化した「はじめまして、愛しています。」の最後を是非見届けてください。

尾野真千子×江口洋介出演ドラマ「はじめまして、愛しています。」 公式サイト (http://www.tv-asahi.co.jp/hajimemashite/)