今年は夏目漱石没後100年。そんな記念すべき年に満を持して登場するのが、NHK土曜ドラマ枠で9月24日(土)よる9時からスタートする「夏目漱石の妻」だ。「吾輩は猫である」「こころ」「坊ちゃん」「三四郎」など、漱石の作品を知らない人は皆無だろうが、その人となりを知る人は少ない。本作は、そんな漱石が明治という時代を駆け抜けていく姿を、妻の鏡子目線で描いていく。主演の中根鏡子に尾野真千子、夏目漱石に長谷川博己。2人の生き生きとした演技を4話連続で追いかけていきたい。

「いろんな男の人を見てきたけど、あたしゃお父様(漱石)が一番いいねぇ」

漱石といえば頭脳明晰で几帳面、しかしとんでもなく気難し屋だったそうだ。「道草」の中で書いた自伝的な夫婦像は苦渋に満ちたもので、とりわけ夫の屈折した心理描写は漱石の近代人としての複雑な性格を示していて、そんな夫と二十年連れ添った鏡子の苦労は並大抵ではなかった筈だ。脚本家の池端俊策は、その難物の夫を「一番いいねぇ」と語った鏡子さんが素敵だと思ったという。
家庭に夢を持ち挫折し、夫婦や親子の関係が崩壊してゆくのを防ぐため必死で闘い、再び夢を取り戻してゆく。現代にも通じる女性の生き様を丁寧に描いているのがこのドラマなのだ。

こう書くとシリアスな感じに思えるかもしれないが、エンターテインメント・ホームドラマと銘打っているのが本作のミソ。気難し屋の漱石に対して、大らかで自分の考えをすぐ口にする鏡子。同じ日々の事でも妻と夫の言い分は全く正反対。例えば、ロンドン留学から帰ってきた漱石が神経衰弱を患っていると思っていた鏡子。一方の漱石は産後のヒステリーで鏡子が精神不安定になっていると思い込んでいたり…。性格も感じ方も違う赤の他人が、人生のパートナーとして共に生きていく事の大変さ、面白さ、奥深さを、「吾輩は猫である」の様なユーモアを交えて、上質のエンターテインメントに仕上げた。

第1話のあらすじ

高級官僚の父を持ち、裕福な家庭に育った19歳の中根鏡子(尾野真千子)は、父・重一(舘ひろし)にすすめられるまま、夏目金之助(漱石の本名・長谷川博己)と見合いをして、金之助に一目ぼれしてしまう。一方金之助も鏡子の屈託の無い笑顔に魅了され相思相愛となり、めでたく二人は結婚。金之助が高校の教師として赴任した熊本で新婚生活を始める。
金之助は帝大出のとびきりの知性派ではあるが、実は幼少時に養子に出されていた。そのことが原因で家庭の温もりを知らないこともあり、人として気難しい部分が多々あった。そんな夫のために家事や様々なことに奮闘する鏡子だったが、失敗を繰り返しとんでもない事件を引き起こしてしまう…。

第1話は、9月24日(土)よる9時より放送

尾野真千子が夏目漱石の妻を演じる 第1話はNHKで9月24日(土)よる9時より放送。お楽しみに!!

「夏目漱石の妻」 公式サイト(http://www.nhk.or.jp/dodra/souseki/)