長谷川博己主演の金曜プレミアム「誘拐ミステリー超傑作 法月綸太郎 一の悲劇」(9月23日金曜よる9時からフジテレビ系で放送)は、作家・法月綸太郎の「一の悲劇」が原作とあって、クラシカルな雰囲気を保ちつつも複雑な人間模様を描いた本格ミステリードラマになりました。筆の遅い悩めるミステリー作家・法月綸太郎が、事件の裏側に隠された真実に迫ります!

ドラマの核となる、ひとつの事件をじっくり描く

不動産企業常務・山倉史朗(伊原剛志)の妻である和美(富田靖子)のもとに、「息子を誘拐した」と身代金要求の脅迫電話がかかってきます。ですが、息子の隆史は自宅にいて、誘拐されたのは隆史の同級生で、富沢路子(矢田亜希子)の息子の茂だということが判明します。史朗は犯人の要求通りに5000万円を用意し、指定の場所へ向かいますが、茂は無残な姿で発見されてしまいます…。この悲しい誤認誘拐というひとつの事件を追うストーリーだけに、脅迫電話がかかったところから茂の遺体発見までのプロセスをじっくり描写していきます。

容疑者として浮かび上がったのはフリーのTVディレクターをしている三浦靖史(波岡一喜)という男で、隆史の実父でもあります。ですが、三浦には推理作家・法月綸太郎(長谷川博己)と一緒にいたというアリバイがあり、法月家の家政婦・小笠原花代(渡辺えり)もそれを証言します。

関係者の秘密に近づく綸太郎

綸太郎の父・法月貞雄(奥田瑛二)が警視ということもあり、民間人の綸太郎が事件関係者から話を聞き出し、それぞれの複雑な人間関係が浮き彫りになっていきます。和美は8年前に、史朗との間にやっとできた子供を流産してしまうのですが、その病院に看護師として働いていたのが路子でした。和美が流産のショックで塞ぎ込んでいた時期、史朗は路子と男女関係を持ち、路子は史朗の子供を妊娠します。その時の子供が、殺害された茂だったのです。

その後、史朗と和美は隆史を養子に迎え幸せな家庭生活を送っていましたが、路子家族が和美の家の近所に越してきたことから悲劇が始まったのです。路子は史朗に付きまとい、和美は茂が史朗の子供だと気付いてしまいます。

事件の裏側に隠されたすべての真実に辿り着きたい

警察の捜査と綸太郎の推理で、やはり三浦が脅迫電話をかけていた可能性が強くなっていきますが、綸太郎と一緒にいたという固いアリバイを崩さなくてはなりません。そこで綸太郎が目を付けたのが、スマホという現代のデバイス。三浦が綸太郎と一緒にいながらも、山倉家に電話をかけることが可能であることを実証します。では、実際に茂に手をかけたのは誰なのか…?

綸太郎は、シガーを燻らせ、時に目を閉じ、顎をなでたりしながら、犯罪を立証する方法を推理していきます。それはまるで、前人未到のバリエーションルートを開拓する冒険家のように(もちろん頭の中で)考えを巡らしているかのようです。さらに、推理の頂上へのルートが見えた時、人が変わったように饒舌に話し出す綸太郎のキャラクターは、今までにない新しい名探偵の誕生の瞬間です!

そして綸太郎は、真実に辿り着くために、事件当時警察とずっと一緒にいた和美を尋ねることにするのです…。

本格ミステリーならではの、しっかりした人物造形

矢田亜希子が悪女を、富田靖子が壊れた母親を熱演。登場人物が多くないぶん、それぞれの人間関係が複雑に交差し、綸太郎がその複雑な人間関係にアプローチしていく時の推理を楽しむことができる新本格ミステリードラマ。絡み合う人間模様の糸を確実に解きほぐそうとする綸太郎、トリックを見破った時の軽やかなセリフ回しも、長谷川博己ならでは役作りでドラマ版の魅力的な法月綸太郎を見ることができました!

「誘拐ミステリー超傑作 法月綸太郎 一の悲劇」公式サイト(http://www.fujitv.co.jp/fujitv/news/pub_2016/160831-i228.html)