金曜ロードSHOW! 9月23日(金)よる9:00に放送された(日本テレビ系)特別ドラマ二週目の放送は、二階堂ふみが全力投球な小学校女教師を演じる「がっぱ先生!」だった。灰谷健次郎のような世界観を感じさせてくれた二階堂ふみとその母役の岸本加世子に脱帽。

学校運営に突っ込みどころ満載の30分間からスタートして、問題噴出して「ほらほらやっぱり!」と思うところからの、なんだか応援したくなる1時間後。そして、昔ながらのテイストで進んできたはずの学校ものの「生徒像」は、くっきり新鮮な現代っ子だったラスト。

最後、どうしても壁を乗り越えるのは「心」という大きい主題が出た残り20分で、思いがけず感動し、涙した視聴者は多かったのではないだろうか。
「がんばる(がっぱんなる)先生」の、教師成長物語。学校問題は今も昔もあるが、刻々変わる教育現場の状況と子どもたちの成長に、先生も地域も保護者も真摯に向かい合うしかないんだよなあ、と改めて思う2時間だった。

振り返り

新米小学校教諭・村本愛子(二階堂ふみ)は初めて担任を持った5年2組で、「良い先生」を目指し、頑張っている。
子ども達と一人一人交換日誌をし、子ども達の気持ちをより深く知ろうと努力している。
学校の運動会の全員参加の学年種目は「大縄跳び」に決定した。大縄跳びの極意は「団結」。
しかし、どんなに練習してもどうしてもできない生徒・大沢克夫(田中奏生)が居た。彼は単に運動が苦手なのではなく、学校入学前に母を亡くした事故で自分の右足も故障していたのだ。

ここですでに突っ込みたい

まず。私だけではないはずだ。「こんな教頭先生は嫌だ!」と思った人は。
五十嵐幸三教頭先生を演じたのは、近藤芳正。人前でも子どもたちの前でも、まだ新米の教師である愛子を叱る、侮蔑的態度をとる。こんな教育者の居る学校は嫌だ。しかも正当な理由かと思えば、そんなに目くじらを立てるような事案はほとんど無い。
そして、克夫くんの足のことが引き継ぎされていない(愛子は知らなかった)のは、教務担当や教頭の責任だと思うが、「知らないんですか!」とここでも責任を転嫁して噴火。
さらに、克夫の父・仙太郎(阿部サダヲ)の意向なのか、活動に支障が起きるレベルの「足の不具合」をクラスで共有していない。
この学校に関わる大人たちは誰も子どもを信用していないのではないかと不信感もりもり。

ストーリーは進む

仙太郎から対応を迫られた愛子は、職員会議で決まった通り根回しをし、克夫を大縄跳びのメンバーから外す。
職員会議で決定したのは「克夫くんは応援係」。えー。縄、回す人になればいいじゃん。小さい身長でもコツをつかめばやれるのに。
克夫くんを応援係で問題無い、と考える教師陣がダメすぎる。この提案に子どもたちがなんの違和感も感じずに「いいじゃん!」とOKするのもきつい。何コレ、イジメ?
おーい、誰か! 克夫の気持ち、聞いてやってくれよ! 白顔の美少女「小松さん」だけが、一人不満そうに口を尖らせている。
テレビの前にも小松さん、いっぱい居たんじゃないだろうか。

違和感は蓄積される

愛子を気遣い、さらに自分の立場を守り、子どもたちは嘘や建前を交換日誌に並べ立てる。「応援係は大事な係です」「克夫くんが応援係になってくれてよかったと思います」。我々の時代では、こんなことを言う子は「いじわるな子」だったが。しかし、みんな目がマジなのだ。まっすぐな目で「よかった」というのだ。子どもって、嘘の天才だ。
愛子は全てがうまくいっていると信じ込む。人間、信じたいものを信じるのだ。だけど、いいの?

そんな中、「本当のこと」に気づく事件が

クラスで飼っている亀が行方不明になるが、クラスの生徒たちは本番一週間前である、大縄跳びの練習を優先させる。
愛子と克夫が「自分たちが探すから」と背を押したせいだが、これも違和感。生き物は大事にしなくていいのー!? 教育って、なにー!? と、思っていたら、クラスメイトの「ゆみちゃん」が大縄跳び練習中に手に怪我をしてしまう。
ゆみちゃんのママ、激怒。「先生、ちゃんと見てらっしゃったんですか!?」ええー。幼稚園児じゃないんだよう。「うちの子も応援係にしてください!」と火炎を吐くママごん。そして、ゆみの「いやだ…応援係は嫌だ!」という言葉を聞き、初めて違和感に気付く愛子。
そう、ゆみちゃんは交換日誌で応援係の重要性を訴えていた一人だったのだ。

裁判じゃないよ、ディベートだよ

そんな中克夫は、足は完治しているが、心理的に飛べないのだということが判明。
教頭に「子どもはまっすぐなんかじゃありません。誰かを守るために、だれかを傷つけないために、みんなとりつくろったり、嘘ついたり…私たち大人と同じなんです」と訴える二階堂ふみのキラキラの瞳にやられたー!
愛子が子ども達に促して始めた「克夫を跳ばせるかどうか本音の討論大会」では、克夫を置き去りに、子どもたちの利害むき出しの暴露・告発大会に発展。しかし、このシーンがとてもよかった。現代っ子の「まっすぐではないがしっかりしている」部分がくっきり。
討論の結果、克夫は「みんなと一緒に跳ぶ」ことになる。

最後はやっぱり感動だよね

クライマックスは運動会・大縄跳び本番。練習不足な上、大きな心の壁を乗り越える怖さに直面し、くじけそうな克夫を自ら恥をかくことで、最大の激励を送る愛子。「大沢克夫、怖くないぞ!」という、愛子先生の声が未だ耳に残る。2組は3クラスで一番ビリだったが、歓喜は一番大きかった。初めて全員で70回を超えて跳ぶことができたから。
しかし、まさかの大縄跳び2時間ドラマ。もちろん、生徒たちの各家庭や愛子にまつわるエピソードはいろいろあったが。
最後、避け続けた母・村本乃理子(岸本加世子)と携帯越しに歌う故郷の漁師歌は、「心こそ大事」という本作の最大のテーマを象徴していた。

最後に、一途な演技がキラキラ光る二階堂ふみの本サイト配信の映画作品を紹介したい。
本作と真逆の背徳の女を演じる「私の男」。先生でなく生徒を演じている「オオカミ少女と黒王子」。エロちっくファンタジーな「蜜のあわれ」。お楽しみあれ。

金曜ロードSHOW! 公式サイト(https://kinro.jointv.jp/)

日テレオンデマンドサイト「がっぱ先生!」 (http://vod.ntv.co.jp/program/gappa0923/)