尾野真千子主演、NHK土曜ドラマ「夏目漱石の妻」。10月1日(土)よる9時に放送された第2話は、夏目金之助に嫁いだ鏡子だが、イギリス留学を終えた金之助が神経症になって帰ってきた。その症状は日ごとに悪くなり…

女優が流す涙

「女優だから当然」という言葉は嘘だ。泣けない女優だっているし、ただ泣いているだけの女優もいる。
鏡子(尾野真千子)はよく泣く。「大粒の涙」「滝のような涙」「泣き笑い」いろんな涙を流す。それぞれの涙に意味があり、こちらの心に沁みてくる。
特に重一とのシーンは圧巻だった。父に対して、ひれ伏し涙を流して断りを入れる。父が部屋を出て行ってもまだ泣き続ける。金之助がそっと部屋に入ってきてもまだ泣いている。流した涙の量が、そのまま父、そして金之助に対する鏡子の愛の量なのだ。
尾野真千子、嗚呼尾野真千子、尾野真千子。

金之助、2年間のイギリス留学を命じられる

一時は命を絶とうとまでした鏡子(尾野真千子)だったが、そのことで金之助(長谷川博己)と理解を深めることができ、ついに念願の子供を授かることができた。名前を筆子という。家族に憧れていた金之助は筆子をかわいがり、鏡子も幸せな日々を過ごした。だが翌年、国からの命令により、金之助は2年間のイギリス留学に旅立ってしまう。
実家に戻った鏡子は、筆子と、翌年に生まれた恒子の2人を育てながら、金之助の帰国を心待ちにしていた。だが、父の重一(舘ひろし)が、イギリスで金之助が神経衰弱になっているという噂を聞いてきたことで、鏡子も心配になってしまう。
そんな折、政権が交代した結果、父・重一が貴族院書記官長などの職を解かれ、無職となってしまう。今までも度々援助を受けてきた夏目家にしても痛手となる出来事だった。

金之助、帰国する

ついに金之助が帰ってきた。が…神経衰弱になったというのはどうやら本当らしい。10万円あれば仕事をしないで好きなことだけしていられると、子供みたいなことを言う。現実は厳しく、実家の援助もなくなったのでは働くしかない。金之助は東京の高校で教師をすることになった。これがいけなかった。妄想が原因で娘や女中に暴力を振るったり、書斎の物を倒したり、凶暴になったのだ。これには鏡子もたまらず、子供を連れて実家へと帰った。
(原因は私なのか? 私と別れれば金之助は元気を取り戻すのか?)
鏡子は帝大医学部の呉教授に夫の症状を尋ねた。すると、金之助は重い神経症だという。「これは病気です」という教授の言葉が、逆に鏡子を迷いの淵から救い出してくれた。「病気なら家族が看病するのは当然だ。夫をこのまま放り出すわけにはいかない」のだ。

重一の死。そして福を呼ぶ黒猫

鏡子は子供達を連れて夏目家へ戻ってきた。シラーっと帰ってきて調理を始める鏡子に金之助は激怒するが、鏡子は「もう出て行きませんから」と宣言する。
それからしばらくは一進一退の攻防が続いた。怒鳴り、暴れる金之助。冷静に対処する鏡子。そんな中にも三女の栄子が生まれたり…。2人は必死で夫婦を続けていたのだ。
そんな時、父の重一が証文を持って訪ねてきた。借金返済のため、金之助に保証人になって欲しいという。何とかしたいのは山々だったが、泣きながら断る鏡子。今まで散々世話になった父や母、弟などが路頭に迷ってしまうとわかっていても、病気の金之助をこれ以上苦しめるわけにはいかなかった。
父が帰ってからも泣き続ける鏡子に、「明日、倫(ひとし)を呼びなさい」と金之助は告げた。そして、翌日、やってきた弟の倫(中島広稀)に400円を渡すと、重一を救うことはできないが、倫と義母は自分が守ってみせると約束する。金之助の温かい思いに涙ぐむ鏡子。
数年後、重一は亡くなったが、夏目家には新たな客がやってきていた。その客とは黒猫だ。女中曰く、爪の先まで黒い猫は福を呼ぶそうだ。なぜか金之助も猫を可愛がり、すっかり猫は夏目家の住人となった。猫が来てから金之助の症状は良くなっていった。そして、夜毎文章を書き続けた。完成したのは小説で、タイトルは決まっていない。友人の高浜虚子(須田邦裕)が声を出して読んだ。
「吾輩は猫である。名前はまだない…」
金之助を世に押し出す作品の誕生だった。

次回第3話は、10月8日(土)よる9時より放送

作家になるか教師のままでいるか…。次回第3話はNHK総合で10月8日(土)よる9時より放送。

「夏目漱石の妻」 公式サイト(http://www.nhk.or.jp/dodra/souseki/)