フィギュアスケートの本格的なシーズン到来を告げるグランプリシリーズが、いよいよ、10月22日(土)に開幕する。今季もアメリカ大会(テレビ朝日で放送)を皮切りに、12月にフランス・マルセイユで開催される世界一決定戦グランプリファイナル出場をかけて、世界6ヶ国を転戦。11月25日から始まる第6戦は、ここ日本(NHK杯)で開催される。シリーズ開幕を前に、男女シングルの出場選手が出席しての記者会見が、都内ホテルで行われた。

9月30日、カナダで開催された国際大会オータム・クラシックで、羽生結弦が、国際スケート連盟(ISU)公認の試合では史上初となる4回転ループを成功させた。宇野昌磨は、今年4月に行われたチームチャレンジカップで、やはり史上初となる4回転フリップに成功した。また、中国の金博洋は、すでに昨シーズン中に4回転ルッツを成功させている。このように男子の世界では、従来の4回転ジャンプのメインであったトウループとサルコウに加えてバリエーションが増えており、今シーズンは3種類の4回転ジャンプを入れ込んだ“最高難度のプログラム”の登場も予想される。4回転ジャンプの質と量が問われる、新たな時代に突入したというわけだ。日本からは、6名の選手がエントリーする。

一方の女子は、復帰2年目を迎える浅田真央の「最終目標の平昌五輪」に向けた勝負のシーズンとなる。そして、昨季は安定感のある演技で躍進を遂げ、GPファイナル銀メダルを獲得した宮原知子。彼女にとって悲願の世界一である、GPファイナル初制覇が期待されている。さらに、今季がGPシリーズデビューとなる15歳の樋口新葉や、昨年から表現力に磨きをかけてきた本郷理華ら、総勢8名の選手で、強力なロシア、アメリカ勢との三つ巴の戦いに臨む。

10月2日に行われた記者会見では、5名の出場選手と、第1戦アメリカ大会のメインキャスターを務める松岡修造、特別解説の荒川静香、解説の織田信成が登場し、それぞれの熱い思いを語った。

●羽生結弦の今季のテーマは「一進一進」(VTRでの出演)

グランプリシリーズでは史上初のファイナル4連覇、日本人男子5連覇(羽生の前年に●橋大輔が優勝)を狙う羽生は「最高点をとりたいという気持ちはすごくある」と意欲的な言葉を口にすると、今シーズンの意気込みを「一進一進」という言葉で表した。「試合での勝ち負けはあると思うんですが、その中で自分の気持ちだけは進み続けたいと思っています。試合を続ける中で気持ちは大切になると思うので、こういう言葉にしました。退く気はないです」

●浅田真央のコメント(VTRでの出演)

「オリンピックという最高の舞台にもう一度行きたいという思いは強い。私にとってそれが最終目標になると思います」と、2018年に迫った平昌冬季オリンピックにかける思いを語った。

●メインキャスターの松岡修造

「リオオリンピックが終わって燃えつき症候群になっているんですが、一番好きなフィギュアスケートがいよいよ始まる。今回は平昌オリンピックにつながる戦いですね」

●特別解説の荒川静香

「本当に時が経つのは早い。もう平昌オリンピックのプレシーズンですから」

●解説の織田信成

松岡から「現役復帰おめでとう!」と水を向けられ、「引退してからまさかの自己新を(前日のジャパンオープンで)出してしまいました。我ながらあの引退の涙はなんだったんだろうと(笑)。でも、今から4回転を2種類、3種類も跳ぶのは大変なので、これからも(解説者として)よろしくお願いします」とコメントし、会場の笑いを誘った。

【5名の選手が、今シーズンへの思いを記したフリップを手に、大会への抱負を語る。荒川と織田からのコメントも】

●樋口新葉「全ての試合で大きなミスをしない!!」

今シーズンは初めてのシニア。緊張とワクワクでいっぱいなんですが、世界のトップスケーターと戦うということで、思いきり自分の演技が出来たらいいと思います。なので、全ての試合で大きなミスをしない、ということを目標に掲げました。
昨日の大会を除くと、自分がシニアの大会で戦ったのは昨季の全日本選手権だけ。去年の世界上位5位までの選手と一緒に戦って、オーラとか雰囲気が違うと感じました。

<荒川>
樋口さんは高いテクニックを持っている。それを維持しながら、他の部分を磨くのは大変だと思います。でも、それが総合としてフィギュアの肝の部分になるんです。緊張感も大きいと思いますが、頑張って欲しいですね。
<織田>
彼女はまだ15歳ですが、テーマを持って演じていると思います。身体を大きく使うように意識して演技していますが、そんな表現の面にも期待したいですね。

●宮原知子「進化」

昨シーズンとは違うショートとフリーを用意しているので、新しい世界観を表現して自分を見せたいと思い、この目標にしました。全てを進化させたいです。ショートでは後半に3回転×3回転があるので昨季より挑戦だと思います。そこを頑張りたいです。フリーは曲調が4カ所で変わるので、それぞれのパートで表現出来るように頑張りたいです。
バレエの先生からは見せ方など世界に行って分かったことがたくさんあったと伺いました。自分自身も頑張らないとダメですが、いろいろなものを見て勉強することも大事だと思いました。

<荒川>
彼女は安定感を持っていますが、それを含めて何一つ落とさず底上げをするすごさがあります。いろいろと磨き上げてレベルアップする姿が楽しみです。
<織田>
ステップもスピードがあって素晴らしいと思います。身体を大きく使う演技も素晴らしくなってきて、昨日も修造さんより大きいんじゃないか思えるほど大きく見えました。

●無良崇人「その先へ」

昨季はチャーリー(・ホワイト/アイスダンス ソチ五輪金メダリスト)と振付をして基礎的なところから進化させていただいたと思っています。今季はフリーを作るにあたって、もう一段いいもの、レベルアップしたものにチャレンジしようと思い、このテーマを掲げました。(羽生)結弦のようにフィギュアは線の細い選手が多い。これからは多種類の4回転が必要になりますが、僕はそれをこなすための回転の速さが課題。身体の線を細くすると、回転も速くなるので、あえて(筋肉)トレーニングをやめて身体の線を細くしようとしています。

<荒川>
ダイナミックなジャンプと表現を合わせると、その迫力はスゴイです。男子らしいプログラムに期待したいですね。
<織田>
僕は筋骨隆々の無良君もアリかなと思っています。それも個性ですから。引き締まった身体に回転力がついてくると、4回転の種類も増えてくると思います。

●田中刑事「魅せる演技をしてパーソナルベストを更新!!」

フィギュア選手として魅せる演技をして、パーソナルベストを更新していきたいです。4回転は必要ですが、そこから魅せる演技をしたいと。そのためには振付も強化していかないといけないと思っています。

<荒川>
彼は力強いけど品のある演技が特徴なんです。指先の使い方とかすごくキレイ。細かいところが美しいですね。
<織田>
表現力、という話もありましたが、田中君らしい表現力を持っていると思います。4回転も2種類できるし、ポテンシャルも持っている。その能力を潜在させずに全部出してほしいです。グランプリシリーズで全部の能力を出して欲しい!

●宇野昌磨「攻める!!」

昨年とほぼ変わらない目標ですが、昨年同様攻め続けたいと思います。最近、ジャンプが出来るようになった中で、表現力とかでも満足出来るものが出来たらいいと思うので、ジャンプ以外も強化していきたいです。
自分の練習してきたことを全て出し切る。4回転フリップ、トウループにとどまらず、どんどん挑戦して遅れをとらないよう、どんどん成長していきたいと思います。
4回転ループにも取り組みたいと思っていますが、いつごろまでに、というのではなく、今はまだ試合に取り入れるほどの確率ではないので、いずれは試合でもコンスタントに跳べるようにしたいと思っています。それよりも今出来ていることにも課題があるので、そちらにも磨きをかけて成長していきたいです。

<荒川>
誰も出来ないことを初めてやる、というのは私たちは感じたことがない。誰も出来ないことにチャレンジしながら、その他の部分もうまいという…。すごい選手だと思います。
<織田>
数年前はトリプルアクセルで悩んでいた、という面影はないほどに成長しました。今、まさに日本を背負っているという感じ。たくましさを感じますね。

■テレビ朝日『フィギュアスケート グランプリシリーズ2016』特設サイト

http://www.tv-asahi.co.jp/figure-gp/2016/onair/

放送予定:第1戦 アメリカ大会(開催地:シカゴ)
10月22日(土) よる6時56分〜 女子ショート
10月23日(日) よる6時57分〜 男子ショート/女子フリー/深夜2時55分〜 男子フリー

■グランプリシリーズ2016 大会スケジュール
第1戦 アメリカ大会(開催地:シカゴ)
10月21日(金)〜23日(日)

第2戦 カナダ大会(開催地:ミシサガ)
10月29日(土)〜31日(月)

第3戦 ロシア大会(開催地:モスクワ)
11月4日(金)〜6日(日)

第4戦 フランス大会(開催地:パリ)
11月12日(土)〜13日(日)

第5戦 中国大会(開催地:北京)
11月18日(金)〜20日(日)

第6戦 日本大会(NHK杯)(開催地:札幌)
11月25日(金)〜27日(日)

グランプリファイナル(開催地:フランス・マルセイユ)
開催日程:12月9日(金)〜11日(日)