羽生善治を追い詰めた伝説の棋士・村山聖(さとし)の生涯を描く映画『聖の青春』[2016年11月19日(土)公開]の完成披露試写会が行われ、主演の松山ケンイチ、東出昌大、竹下景子、安田顕、森義隆監督がトークを繰り広げたほか、真っ白な扇子に書かれた想いを発表。さらに、今年5月に羽生善治三冠を破り14年ぶりの新名人となった佐藤天彦がスペシャルゲストとして登場し、映画の完成を祝った。

大崎善生の小説を原作とする映画『聖の青春』は、100年に1人と言われる天才・羽生善治と“東の羽生、西の村山”と並び称されながら、29歳にして亡くなった実在の棋士・村山聖(さとし)の一生を、師弟愛、家族愛、ライバルたちとの友情を通して描く、奇跡の実話を元にしたエンターテイメント作品。主人公の村山聖役・松山ケンイチ、聖の最大のライバルである羽生善治役・東出昌大ら俳優陣の渾身の役作りをはじめ、第29回東京国際映画祭の公式クロージング作品としての上映も決定するなど、話題を集めている。

■映画『聖の青春』完成披露試写会レポート

日時:2016年10月5日(水)
場所:丸の内ピカデリー1(千代田区有楽町2-5-1 有楽町マリオン 9F)
登壇者:松山ケンイチ、東出昌大、竹下景子、安田顕、森義隆監督
ゲスト:佐藤天彦名人

●挨拶

【主人公・村山聖役:松山ケンイチ】
「今日は足をお運びいただき、ありがとうございます。なぜ、みなさん洋服なのに僕と東出くんだけ和服なのでしょうか。その答えは東出くんが知っています! 短い時間ですが、どうぞよろしくお願いします」

【羽生善治役:東出昌大】
「本日はありがとうございます。劇中でも和服を着ているのですが、将棋は、ただ盤と駒を使うだけではなくて、日本の伝統美みたいな所があるのでそれがスクリーンに映えて、目にも美しい映画になっていると思います。今日は楽しんでください」

【聖の母・村山トミコ役:竹下景子】
「15歳というほんの小さな・・・あ、松山さんは大きいんですけれど(笑) 子供を手元から離して、見守っていくという母親役でした。この映画には、ライバル同士の絆や師匠と弟子、親子の色んな形の絆が描かれています。どうぞごゆっくりお楽しみください」

【聖の先輩棋士・橘正一郎役:安田顕】
「この作品を望まれた監督の元で、素晴らしいキャスト・スタッフと共にこの現場に携われたことを心より感謝申し上げます。松山さんと東出さんが和装姿ですけれどスクリーンの中では、今以上に様になっている村山さんと、羽生さんに出会えると思います」

【森義隆監督】
「今日が一般のお客様に初めて観てもらえる日なので、不安半分、楽しみ半分という感じでまだフワフワしているのですが、皆さんと良い舞台挨拶にできたらなと思っています」

●映画について

MCより、本作を最初に観た感想を問われた松山は「実際にスクリーンに映っている自分の姿を見ると、自分の中で整理がつかない状況になって、まだこの作品に対して答えを見いだせていないので、皆さんの感想も聞きながら、ゆっくりその答えを確かめていけたら良いなと思います」とコメント。

東出は、羽生役のオファーが来た際にマネージャーさんと思わず握手をしたほど嬉しかったそうで「テレビ番組で、森内俊之九段との特集を見たことがきっかけで、羽生さんに憧れを抱くようになりました。台本を手にした時は鳥肌の立つ思いでした」と、羽生への思いを熱く語った。

●役作りについて

実在する人物を演じるにあたり、

松山は「村山さんとお付き合いのあった方からお話しを聞いたり、昔の映像を参考にさせていただきました。それだけだと、ただのコピーになってしまうので、特に、病・死との向き合い方については監督とよく話し合い、内面から村山さんと向かい合いました」と役作りの苦労を明かした。

東出は「撮影初日に、ただ佇むというシーンがあったのですが、監督に芝居をするなと言われたんです。リアルというものが現場にはあったのではないかと。お芝居ってどういうことなのか考えながら、精神性を大事にして取り組みました」と自身の演技を振り返った。

松山は村山が実際に身に着けていたネクタイを、東出は羽生から譲り受けたメガネをそれぞれ劇中で着用。

松山は「村山さんは、ネクタイを着崩した着こなしをよくしていて、トレンチコートを着たり、髪型を変えてみたり、彼は自分で村山聖像を作っていたんだとうなと思うんです。そこが可愛くもあり、ユーモラスな面でもあって。そういった一つ一つが村山さんの青春の一部だったんだと感じます」

東出は「僕はプロ棋士ではありませんが、メガネだけは本物なんです。嘘のないものを借りられた事は大きな力になりました。実際に羽生さんにもお会いして、僕が思っていた完璧な人という羽生像とは少し違って、なんというか、すごい人でしたね。」

…とそれぞれ話し、村山、羽生の人間性に触れた。