鈴木保奈美や唐沢寿明、江口洋介などが出演した『愛という名のもとに』。90年代に放送されたドラマの中で最大のヒット作と言われている。唐沢寿明は現在放送中の日本テレビ系ドラマ「THE LAST COP/ラストコップ 」にも出演中。ここでは、今も第一線で活躍する出演者の若き日の様子や、作品の魅力について紹介していこう。

友情や大切なものがテーマの社会派ドラマ

大学でボート部に所属し、固い絆で結ばれていた7人の男女。
大学を卒業して3年がたったある日、恩師の葬式で彼らは再会する。就職をせずに渡米した神野時男(江口洋介)を除き、社会人として生活する藤本貴子(鈴木保奈美)、高月健吾(唐沢寿明)、飯森則子(洞口依子)、塚原純(石橋保)、斉藤尚美(中島宏海)、倉田篤(中野英雄)。一見充実した生活を送っているかのように感じられるが、実は彼らにはさまざまな悩みがあった。
昔から抱いていた夢や、かけがえのないものを失いそうになっていた貴子ら6人。時男が現れたことで友情は変わっていない、ということを確かめ合ったのだが…。
学生が社会に出た時に感じる不安や葛藤、仕事のやりがい、そして突如襲い来る絶望感。思わずハッとしてしまうようなストーリーとなっている。

現在も活躍中の俳優陣が出演

高校で教師として働いている貴子は、『東京ラブストーリー』に赤名リカ役で出演していた鈴木保奈美が演じる。
代議士秘書となった健吾を演じるのは、唐沢寿明。このドラマを機に数々のドラマに出演。現在放送中の日本テレビ系ドラマ『ラストコップ』では、30年間眠り続けていた昭和の熱血刑事・京極浩介役を務めている。
デパートに勤務する則子役は、洞口依子。『ふぞろいの林檎たち パート4』にて相崎江里役を担った。
区役所に勤めている純は、『ウルトラマンネクサス』などに出演した石橋保が演じた。
売れっ子のモデル・尚美を演じた中島宏海は、『世界・ふしぎ発見!』にてミステリーハンターとして活躍。
悲しい最期を遂げる証券マン・篤(チョロ)役は中野英雄。数多くのドラマや映画だけでなく、FUNKY MONKEY BABYS「旅立ち」のミュージック・ビデオにも出演している。

青臭さと生きる辛さが描かれている

このドラマは、学生から社会人になった登場人物たちの変化、その中でも変わらなかった仲間の絆が魅力である。以前と全てが同じというわけではないものの、仲間が窮地に立たされた時には他の仲間が助けてくれる。その青臭さが、このドラマの良い部分であるだろう。他にも、ストーリーが作り込まれている、と評価する声も多い。
また、『愛という名のもとに』が放送されたのは1992年。前年から危機を迎えていたバブルが崩壊し、平成の大不況が訪れてしまった悲劇の年である。就職氷河期に入ったことで、大学を卒業しても希望の会社に就職できなかった人々が多数存在。将来に不安を感じ始めた人たちが、同じようにさまざまな辛さを抱えた登場人物たちに感情移入したのではないだろうか。

『愛という名のもとに』は、今改めて観てもリアリティのあるドラマである。このドラマを観れば、登場人物たちの友情をうらやましく感じることだろう。
日常の不安や葛藤など生き辛さを感じた時におすすめしたい作品だ。