芳根京子が主演を務めるNHK連続テレビ小説「べっぴんさん」。10月3日(月)から8日の午前8時から放送された第1週では、主人公・坂東すみれの幼少期が描かれた。すみれのモデルとなったのは、子ども服メーカー「ファミリア」の創始者の一人、坂野惇子。戦前戦後という激動の時代を、大いなる母性を持って生き抜いた女性たちの人生が描かれてゆく。朝から爽やかな、優しい気持ちになれそうな今期朝の連続テレビ小説を追いかけていく。

第1週ストーリー 母とすみれを繋ぐもの、刺繍

昭和9年。主人公・坂東すみれ(渡邉このみ)は、神戸の真新しい立派な洋館で暮らしている。
父は、近江の布を大阪に卸す、繊維会社「坂東営業部」を営む坂東五十八(生瀬勝久)。
すみれは、姉の坂東ゆり(内田彩花)や、執事の井口忠一郎(曽我廼家文童)、女中頭の佐藤喜代(宮田圭子)らに暖かく守られながら何不自由なく明るく暮らしていた。
一つだけ悲しいことを除いては…。

それは、母の坂東はな(菅野美穂)が大病を患い入院しているということ。
すみれやゆりは、母の回復を信じ、帰宅を心待ちにしていた。
しかし、医者は五十八に、はなは年は越せないだろうと告げており、五十八はそのことを娘たちに悟られないようにしていた。

母とすみれを繋ぐものは、母が残していった刺繍道具が入った藤の籠。
母との思い出の品の蓋を開いて、すみれは母への贈り物を作ろうと考えた。
母が刺繍していた様子を思い出して、夜な夜な自分なりに針を動かすすみれ。
気がつくと朝日が昇り、机の前で寝てしまっていたすみれをゆりが起こす。

物作りへの情熱を抱くすみれ

もっともっと刺繍が上手になりたいと思っていたすみれは、毎晩のように刺繍をしていた。
そんなある日、五十八のお気に入りの革靴を見たすみれは、どういう構造で靴ができているのか興味が湧き、父に黙って靴を解体してしまう。
バラバラになった靴が朝発見されて大騒ぎになり、五十八が使う前に坂東家御用達の靴店「あさや」に修理へ出そうと準備を進める。
すると、すみれは「靴を作るところが見たい」と懇願する。
五十八の片腕として坂東営業部で働く野口正蔵(名倉潤)の息子・潔(大八木凱斗)は、そんなすみれの願いを叶えてあげたいと思い、「あさや」へとすみれを連れて行く。

「あさや」に到着した潔とすみれだったが、靴屋の職人・麻田茂男(市村正親)は、五十八に了解を得ずにすみれを連れてきたことを激怒し、潔に家へ戻すよう言う。
仕方なく帰路に着いた潔とすみれだったが、群衆に紛れてしまい、すみれは潔とはぐれてしまう。

すみれは一人で再び「あさや」へ戻ってくるが、麻田は不在だったため、すみれはこっそりアトリエの片隅に身を隠す。
そして、麻田が戻ってきてから靴を作る造作を、すみれはうっとりと見学するのだった。
そしてすみれは隠れていたことがばれて、麻田はすぐに坂東家に連絡する。
迎えが来るまでお茶を飲みながら、麻田はすみれの物作りへの情熱を感じ取り、「下手でも思いを込めてものを作ることが一番大事」と言葉を送る。

すみれが心を込めて作った特別な品=“べっぴんさん”

すみれたちは、楽しみにしていた母のお見舞いへ出かける。
すみれは恥ずかしそうに一生懸命作った刺繍が入ったハンカチを母に渡す。
はなはハンカチを受け取り、「一生の宝物や…べっぴんさんや」と言って涙を流す。
そこには、花のすみれとゆりが刺繍されていた。
そして母に、刺繍を教えてほしいとお願いし、母は娘に自分の技術を伝えてゆく。

戦争へと突入していく、すみれの青春時代

母は亡くなり、すみれ(芳根京子)は17歳になっていた。
明るいはずの青春時代は開戦した太平洋戦争によって、すみれたちの学生生活にも暗い影を落とし始めていた。
すみれは共に女学校へ通う仲良しの親友・多田良子(百田夏菜子)と田坂君枝(土村芳)と3人で手芸倶楽部を結成。
大好きな母との思い出の刺繍を続けるすみれだったが、戦争の影響で物資が乏しくなり始め、刺繍道具も満足に揃わなくなってきていた。
日本が戦争へ突入して行く…。そんな重苦しい時代の空気の中、潔(高良健吾)にもついに召集令状が届く。

心に残るシーン

誰もが羨むような立派な洋館で、たくさんの女中さんや執事と共に、何不自由なく暮らしている、主人公・すみれ。
しかし、すみれが一番欲しかったであろう、唯一無二の“母という存在”が幼い頃に奪われてしまう。
そのことが、すみれの人生に影響を及ぼしていくであろうことは必至だ。

生粋のお嬢様というのは、平民から見れば何とも眩しくも苛立たしい存在でもある。
坂東家に長年使えていた女中マツの娘・明美は、幼い頃に父が亡くなり、母ひとり子ひとりで暮らしてきた。
神戸の下町に貧しく暮らす明美から見たすみれは、何とも敵対心を抱かざるを得ない存在であろう。

明美がすみれの家を訪れた際、テーブルの上のクッキーを見ただけで女中に泥棒扱いされ、明美は母に自らの潔白を泣いて訴える。
その様子を見かけたすみれが、明美の後を追いかけお菓子を包んだものをあげるのだが、明美はすみれが去った後、ぐっと感情を押し殺しそのお菓子を地面に投げつけるシーンは泣けた。

金持ちと貧乏人。単純な対立ではなくて、なんと言うのでしょうか…。
本当の心の優しさを、二人の少女を通じて考えさせられるドラマである。

今後、すみれと明美の関係も注目して観てゆきたい。

「次回予告/しあわせの形」

次週は、潔に恋心を抱くすみれだったが、潔は姉・ゆりと結婚する。
すみれは親が持ちかけた縁談を受け入れ結婚。そして妊娠する。
しかし、戦争は激化し、夫は出征。
すみれは夫不在の中、懸命に出産するが、
神戸を大きな空襲が襲い、すみれの家も大切な人たちも焼いてしまい…。
次週は、10月10日(月)〜15日(土)朝8時からNHK総合にて放送。

NHK連続テレビ小説「べっぴんさん」は、NHK総合で毎週月曜〜土曜の午前8時から放送。
公式サイト(http://www.nhk.or.jp/beppinsan/)