中村蒼主演、テレビ東京系土曜ドラマ24「潜入捜査アイドル・刑事ダンス」。10月8日(土)深夜0時20分に放送された第1話。「新感覚コメディードラマ」という触れ込みだったが…いや、これは違う! 巧みなナレーション(銀河万丈)、犯人の確固たる動機、過剰な演技。これは、往年の大映ドラマのノリ! レトロに現代をやっているのだ!

警視庁警備部特殊芸能課第1係

念願叶って刑事になった新任の辰屋すみれ(中村蒼)は、いきなりメジャーではない部署に配属される。
その名も「警視庁警備部特殊芸能課第1係」。がらんとした部署には篠原課長(近藤芳正)と、婦警のピコ(福地桃子)だけ。他は芸能情報の雑誌や資料だらけで、警察署の一室というよりは、芸能事務所といった風情。
部署についての説明は篠原係長のお話がとても理路整然としていて、妙に説得力を感じた。
つまり、「世間的に影響力のある芸能人たち」の巻き込まれる犯罪を未然に防ぐべき、という非常に道徳的な理由で設立された部署なのだ。それにしても部署内の退廃的な空気は尋常ではない。まさにデカダンス。
ついでに疑問。1係ということは2係もあるのだろうか。

辰屋すみれの人となり

まず、本人は自分の名を嫌っている。「タツヤと呼んでください!」と、上司にも他人にも強要する。
「正義の味方」と「男気」にこよなく憧れる、時代錯誤BOY。憧れだけで、まったくのトンチンカンなのだが。
特技は一度見た相手を必ず覚え、さらにその相手への人間観察を細微に渡らせ、人格や日常生活を言い当てることができる。
これはなかなかキレる男なのでは…と思うが、思い込みの激しさが邪魔をして、この特技を活かしきれない様子。
幼い頃見たドラマ「漢!刑事泣き虫 吉光全(片岡鶴太郎)」について語り出すと、相手に厳しく「もういい!」と突っ込まれるまで熱く語り続ける自己中心派…じゃなく、ガンコもの。ということにしておこう。

ストーリーの展開は

タツヤはとあるネット音楽番組に送られた脅迫状の捜査のため、早速番組の撮影現場への潜入捜査を命じられる。
「とにかく目立つな」という先輩捜査官でマネージャー役の島崎進(野間口徹)の言いつけを守って、きらびやかなピンクの衣装で擬態し、(ピンアイドルでは目立つので)不本意な男たちとグループを組まされる。
番組収録の途中、全アーティスト共通のバックダンサーたちが食中毒で全員倒れ、タツヤたちが大演歌歌手・小森林健二(渡辺いっけい)のバックダンサーとして踊ることになる。自分たちの中に紛れ、強引に収録中に小森林に襲いかかった不審人物を捕まえてみると、小森林の付き人の男だった… !
しかし、事件の真相は小森林の自作自演。「ネットの生中継中に命を狙われつつも、屈することなく歌を歌い上げる」という自分を演出するためのものだった。まんまとネットの人気を集める小森林だが、すみれの観察眼にあっという間にその悪巧みを見破られてしまう。

注目1。海外ドラマ「glee」ばりの劇中歌?

本作の中で面白い部分の一つとして、「劇中歌が案外マジ」という部分がある。
メンヘラアイドル・胡桃沢くるみ(青山美郷)の自虐ポップス、小森林の演歌スタートのトランスっぽい曲など。放送終了の暁にはアルバムができるかもしれない。

注目2。大映ドラマばりの大真面目ナレーションと犯人のアングラばり過剰演技

ナレーションの銀河万丈の真面目な低めの声がこのドラマのコメディーを引き立たせている。
そして、今回事件の犯人だとタツヤに見抜かれた、小森林こと渡辺いっけいの約15秒人格崩壊シーン。
アングラ演劇ばりによだれの出そうな咆哮を見せ、「カメラ、カメラどこだ」と目をさまよわせ、あまつさえ最後は胎児のポーズで床をのたうちまわる。いやー。すごい。
これは次回以降も犯人役のゲストが、タツヤの特技「人間性を見破る」によって人格崩壊シーンを披露してくれるとしたら面白い。
色々皮肉を効かせた「潜入捜査アイドル・刑事ダンス」、初回を見逃した人も、次回は是非。

次回第2話は、10月15日(土)深夜0時20分より放送

華麗な犯人逮捕のシーンがネット生放送で流出し、話題になったタツヤ所属のアイドルグループ「デカダンス」にバラエティー番組のオファーが入るが…次回第2話は、テレビ東京系で10月15日(土)深夜0時20分より放送。

中村蒼主演「潜入捜査アイドル・刑事ダンス」 公式サイト(http://www.tv-tokyo.co.jp/dekadance/)