いよっ、待ってました! 謎多き主人公・井伊直虎の生涯を描く、NHK大河ドラマ「おんな城主 直虎」が1月8日(日)よる8:00より放送された。第1話「井伊谷の少女」では、戦国の世に生きる弱小武家の辛さ、生きることの大変さが身にしみつつ、あれよあれよの急展開で次回への期待が膨らむ回となった。

駿河の今川、甲斐の武田、三河の徳川…。強大な3つの勢力が虎視眈々(たんたん)と領地をねらう中、資源も武力も乏しいこの土地で、頼るべきは己の知恵と勇気。天文13年(1544年)、井伊直盛の長女として生まれたおとわが、弱国であるが故に襲いかかる困難を、女性でありながら男子のように直虎と名乗り、井伊家の城主となって国を治め、幼い世継ぎの命を守ってたくましく生き延び、その後の井伊家発展の礎を築いた女丈夫の姿を描いた物語である。

幼き者たちの縁談話

天文13年(1544)遠江の国・井伊谷(現在の静岡県浜松市)に井伊家はあった。当主の井伊直盛(杉本哲太)と妻・千賀(財前直見)の間には1人娘のおとわ(新井美羽)がおり、幼馴染の井伊亀之丞(藤本哉汰)と鶴丸(小林颯)と毎日遊んで過ごしていたが、そのおとわに縁談話が舞い込んでくる。父の直盛と当主を継ぐ話をしたばかりだったおとわは戸惑うが、千賀から「当主になるのも、当主の妻になるのも家を守るという役目は同じ」と諭され、亀之丞と夫婦になることを承諾した。

暗雲たなびく

そんな折、亀之丞の父・井伊直満(宇梶剛士)が、主家の今川家当主・今川義元(春風亭昇太)から呼び出しを受ける。名目は次期当主となる亀之丞の父として主家に挨拶をするということだったが、実は謀反の疑いをかけられていたのだ。
駿府に着いて義元と面会した直満は、北条と手を握り今川に謀反するという内容の親書を突きつけられ、その場で首をはねられてしまう。今川家は井伊家に直満の首を届けると、亀之丞の首も差し出すよう求めてきた。
突然の事態に井伊家中は騒然となる。井伊直平(前田吟)が駆けつけ、訴人したのは井伊家家老の小野和泉守政直(吹越満)ではないかと騒ぐが、真偽はわからない。ともかく亀之丞の命を救うことが大事と、直盛は菩提寺・龍潭寺の南渓和尚(小林薫)に相談する。南渓和尚は僧侶の傑山(市原隼人)に亀之丞を託し、逃亡させることに。だが、井伊家の連中に見つかり、絶体絶命! と、捕まったのは亀之丞の姿に扮装したおとわだった。許嫁のために危険を顧みず「おとり」となったのだ。

森下佳子 快調!

大河ドラマで難しいのは初回だ。複雑な時代背景の説明、多すぎる登場人物紹介をしっかりとやりながら、人物に感情移入させるストーリーに仕上げていかなければならない。ここで失敗すると1年間お客を失うのだから責任重大だが、脚本家の森下佳子はインポッシブルなミッションを遂行したと言っていいだろう。
何しろテンポがいい。あれよあれよと言う間に幸せから不幸へと滑り落ちていく。それでいて期待を持たせる終わり方。主人公おとわの笑顔で終わらせたのは見ていてホッとした。時代背景や人物紹介などは1話に詰め込みすぎず、余計なものは後回しにして最低限の情報を入れ込んだのも良かった。
「真田丸」の後は大変かとも思ったが、杞憂に終わりそうな嬉しいスタートだ。

子役が凄い!

1話には柴崎コウが出ていない。当然、三浦春馬も高橋一生も出ていない。それでもグイグイ惹き付けられていたのは、子役の3人が素晴らしかったからだ。おとわ演じる新井美羽は一度見たら忘れることはない特徴的な顔で天真爛漫に画面狭しと駆け回る。笑顔がいい。心打つ笑顔でいられるからこそ、大きな将来大きな仕事を成し遂げられたのだろう…とまで納得させられる。
亀之丞役の藤本哉汰は、透明感のある美男子だ。病弱だが透き通った音色の笛を吹いて人の心を和ませる。そして鶴丸役の小林颯は、ご存知「呪怨」の俊雄くん。NHKファンには「精霊の守り人」チャグムと言った方がとおりがいいだろう。演技力は折り紙付きだが、渦中から嫌われている父を持つ息子役という難しい立ち位置を見事に演じている。
主役が子供時代を演じないのは久しぶりのような気もするが、まったく不安を感じさせなかった。あと2〜3回は観ていたいが、果たして次回はどうなるか?

次回第2話は、1月15日(日)よる8:00より放送

許嫁の亀之丞を逃すため、おとわが秘策を思いつく!
第2話「崖っぷちの姫」は、NHK総合で1月15日(日)よる8:00より放送。

「おんな城主 直虎」公式サイト
http://www.nhk.or.jp/naotora/