2013年に出版された「嫌われる勇気」は発売後に大ヒット。そして今でもmusic.jp書籍ランキングの常連である。なぜ、ここまでの大ヒット作品なのでしょうか。

心理学者、アルフレッド・アドラーの思想を分かりやすく解説

フロイト、ユングという偉大なる哲学者とともに、‘心理学の三大巨頭’として称されるのがアルフレッド・アドラー。彼の思想はアドラー心理学という学問へと発展し、欧米では絶大な支持を得ています。本書は、ある青年と哲人が対話をしていく中で、アドラー心理学について学ぶ物語という形式をとっています。ストーリー性があるので、具体的なエピソードを通して学ぶことができ、とても分かりやすく解説されているのが魅力です。自己啓発本として有名になりましたが、心理学の入門書としても捉えることができます。

自己啓発セミナーでも絶賛

この世に数ある自己啓発書の中でも『嫌われる勇気』は特に注目されました。筆者がとある理由で参加した自己啓発セミナーにおいても、スピーチをされている方がこの本を絶賛していたのが記憶にあります。人生経験やビジネスについての知識が豊富な方が推薦されているということで、自己啓発に興味がある若者へと広がり、書店でも大々的に展開されるようになったことで、口コミから徐々にこの本が認知されていった経緯があります。

有名な嫌われ者たちが推薦

この本を推薦したのは、自己啓発分野専門の方たちだけではありません。この本のオフィシャルウェブサイトでは、フリーアナウンサーの小林麻耶さんと実業家の堀江貴文さんがそれぞれ、著者岸見一郎と古賀史健の2人と鼎談した内容が掲載されています。小林麻耶さんといえば、以前は嫌いなアナウンサー第1位に選ばれていましたね。テレビではぶりっ子のようなキャラクターが鼻につく視聴者の方も多かったのでしょう。しかし、逆にいうとその個性的な性格が表に出ることで、番組を盛り上げる一つの効果になっていたのも事実。また、堀江貴文さんも時代の寵児ともてはやされる一方で、そのわがままな言動が世間から特に嫌われていた時期もありました。金に物を言わせた行動は誤解されることも多かったはず。しかし、彼の場合も他人を気にせずに自分の決めた道を突き進むことで、成功の道を辿っていきました。両者とも「嫌われる勇気」を体現している成功者として説得力がありますね。

嫌われ者でも構わない

小林麻耶さんは、鼎談の中で「出過ぎた杭になるための勇気」が必要だと述べていました。何かを新しく始めようとする人は、周囲の人間の目が気になっている方もいます。そんな人にエールを与えてくれるのがこの「嫌われる勇気」です。また、逆に周囲から浮いた存在である友だちのことが気になっている人もいるでしょう。もしかすると、この本を読めば、その友だちに対する理解も深まるかもしれません。嫌われることは必ずしも悪いことではない、そんな新しい考えが生まれることでしょう。

女性の自立

中学校や高校では、女子特有のグループ行動の中で浮いた存在が嫌われやすいですね。普通は社会人になると人間関係もさまざまになってくるので、そういった集団意識は薄れていくのですが、最近は女性がどんどん社会進出している時代なので、会社の中でも似たような集団意識の中で、ハブられてしまうという事態も起こってきています。そういったときに、本当に自立するための指南書としても『嫌われる勇気』は役立ちます。

ベストセラーとなった『嫌われる勇気』。人間関係に悩んでいる方から、何か新しいことにチャレンジしようと思っている方まで、さまざまな人に愛読されている作品です。