半導体市場調査専門企業である米IC Insightsは9月14日(米国時間)、2016年の世界IC市場の地域別、主要用途別販売額予測を発表した(表1)。ちなみに地域は、基本的に大陸別であるが、日本だけは過去に一国のみで地域クラスに半導体を消費していたため、例外的に国単位となっている。

アジア太平洋地域(日本を除く)でのIC販売額(全半導体販売額からイメージセンサや半導体レーザーなどの光デバイス、ディスクリートデバイス、センサなどを除いた額)は1719億ドルと予想され、全世界の61%を占める。同地域の割合は2013年に57.7%、2014年に58.4%、2015年に60.5%と毎年、着実に増加し続けており、中でもコンピュータと通信分野のシェアが高い。これは、PCやスマートフォンが主にこの地域で製造されており、このためのチップがそこで消費されているためである。

○車載用でもアジアが初めて欧州を抜く

IC Insightsは、車載半導体分野で、アジア太平洋地域のシェアが2016年に初めて欧州を抜くだろうとみている。中国での新車製造が増加しているためである。アジア太平洋地区がトップシェアを握っていない分野は、官用・軍事用だけである。この分野は、アメリカ大陸(主に米国)が今後ともトップシェアを握り続けるだろう。日本のシェアは、6.8%と微減傾向が続いている。日本は、半導体製造だけではなく、消費面でも減少している。

○日本と欧州市場は今後縮小傾向

IC Insightsは、IC市場の地域別・用途消費額の2019年に向けた動向として、アジア太平洋地域のIC市場シェアが62.3%まで増加すると見込んでいる。また、アメリカ大陸も23.8%へ増加すると見込む一方で、欧州と日本は、2019年には、それぞれ8.3%、5.5%へ減少すると予測している。日本のシェアは、現在6%台まで落ちているが、さらに数年以内に5%台へ落ち込む予測で、半導体製造だけではなく消費までも長期低落に歯止めがかかっていない。

また、2019年に向けて最も成長を遂げるICの用途は、車載用と産業・医療用で、2015年-2019年の年平均成長率は、それぞれ8.0%、7.1%と予測されている。中でも車載IC市場は2009年に106億ドル規模であったものが、2019年には3倍弱の280億ドルまで成長することが予測されている。ただし、車載用はすべての用途の中でもっとも成長率が高いとはいえ、全IC販売額の8%を超えることはなく、1桁台の市場である点に注意する必要があろう。

そうした点では、ICの最大用途は、今後ともコンピュータ用と通信用であることは変わらず、2016年は全半導体市場の73.9%を占め、2019年も73,7%とほぼ変わらないと予測されている。このほか、2016年としては、アナログICが車載用市場で45%、産業用で50%を占めるほか、ロジックデバイスは通信用で41%、民生用で41%, 政府・軍事用で32%を占め、マイクロプロセッサはコンピュータ用IC市場の42%を占めると予測されている。