長崎市桶屋町の市公会堂前交差点で昨年6月、長崎電気軌道(同市)の路面電車が脱線した事故で、同社は13日、車輪がくり返し接触したことによるレールの変形が原因とする調査報告書を明らかにした。今後、車輪の接触を軽減するレールの改良や現場カーブを緩やかにする対策工事を実施し、一部区間を運休している蛍茶屋発赤迫行きについて今年11月の全面運行再開を目指すとしている。  事故は昨年6月2日夜に発生。電車が公会堂前交差点のカーブを曲がる際、後方車輪が外側に脱線した。この交差点では一昨年10月にも脱線事故があり、レールを交換するなど対策工事を実施したが、昨年5月23日の全面運行再開の10日後に再び脱線した。  同社によると、昨年6月の事故はカーブ内でレールが交わる「クロッシング」と呼ばれる箇所でのレールの変形が原因だった。電車が曲がる時、遠心力が加わった状態の車輪がレールにくり返しぶつかることで斜めに変形し、車輪が乗り上げやすい状態になっていたという。  一昨年10月の事故では、クロッシングのレールの摩耗が原因の一つだった。同社はクロッシングを含む現場周辺のレールを新品に交換する際、摩耗を防ぐためレールの高さを通常より約10ミリ低くした。しかし、レールの強度が下がり、短期間で変形したと分析した。  レールの改良とカーブの設計・工事には約10カ月かかる見通し。試運転で安全が確認できた時点で全面運行再開する方針。  現場交差点を通過する蛍茶屋発赤迫行きの電車は現在、交差点を迂回(うかい)するルートを通っている。朝夕の通勤・通学と帰宅の時間帯は公会堂前発赤迫行きの臨時便を走らせている。  同交差点では2007年5月以降、計4回の脱線事故が発生しており、中島典明社長(60)は会見で「再発防止策を確実に実行し、安全確保と信頼回復に努める」と述べた。