絶滅した大型の古代サメが新種と特定され、命名された。

 新種に付けられた学名は、メガロラムナ・パラドクソドン(Megalolamna paradoxodon)。史上最大のサメとして有名なメガロドンと近縁の可能性があり、体長は自家用車ほどあった。研究結果は、10月3日付で学術誌「ヒストリカル・バイオロジー」に掲載された。

 米デポール大学の古生物学者、島田賢舟教授らの研究チームによると、この巨大な魚は約2000万年前の中新世に生息していた。大西洋にも太平洋にもいて、中緯度の浅い海を泳いでいたらしい。チームは米国のカリフォルニア州とノースカロライナ州、日本、ペルーで見つかった歯の標本5つを詳しく調べ、こうした生態を判断した。これらの歯は、いずれも長さが5センチ近くあった。

 歯の形も独特で、複数の種の特徴をあわせもったような構造になっており、過去に例のないものだったことから新種の可能性が高まった。獲物を捕らえるのに有利とみられる前歯と、切断するのに使ったであろう奥歯の両方が発見されている。

 したがって、このサメは中型の魚を食べていた可能性が最も高いと研究チームは結論付けた。

 既に知られているサメの大きさに基づき、研究チームがこのサメの体長を歯の標本から推定したところ、約3.7メートルという結果が出た。6メートルに達することがあるホホジロザメよりは少々小さいが、現代でも比較的大きなサメと言える。

 ただ、米フィラデルフィア州のセントジョセフ大学でサメを専門に研究するジョン・ポール・ホドネット氏は、科学ニュースサイト「Live Science」の取材に対し、この推定はやや差し引いて考えた方がいいと指摘した。

「歯に関しては、サメの顎にはかなり大きな歯もあれば小さな歯もあり得るため、歯が正確な体長を反映していないことがあります。この点に絶えず注意が必要です」とホドネット氏。同氏は今回の研究には関わっていない。

 島田氏らの研究は、体長18メートルに達したとも言われるカルカロクレス・メガロドン(Carcharocles megalodon)と、今回の新種が近縁である可能性も示唆した。現在、ネズミザメ目サメ類の化石の分類が混乱しているなかで、研究チームは、どちらの種も絶滅したオトドゥス科に分類されるべきだと指摘している。

 研究チームは論文で「脊椎動物の化石の中でも、サメの歯は最もよく産出する物の1つ」としながらも、「メガロラムナ・パラドクソドンほど大きいものはほとんどない」と述べている。この新種に付けられた名は、歯の特性が珍しく、既知のどんな種とも隔たりが見られることを示している。