The Economist 年配者は若者に「職」を譲るな 働かない市民への支出は繁栄をもたらさない

「倒れるまで働け」 これは定年延長を求める議論を揶揄してよく使われるフレーズだ。かくいう小誌(Economist誌)も、定年延長を支持する立場を取っている。人々の平均寿命は着々と伸びているのに、働く年数を増やしたいと思う人は少ない。事実、フランスの野党・社会党は、政府の改革 定年を60歳から62歳まで引き上げた を覆そうと狙っている。
就業年数の延長に人々が反対する背景には、「35〜40年も働けば、いい加減もう休んでいいだろう」という考えがある。だが「若者が職に就けるように年配者は身を引かなければならない」と考える人が多いのも理由の1つだ。そんな気持ちを代弁するかのように、英フィナンシャル・タイムズ紙のコラムニスト、ルーシー・ケラウェイ氏は最近の記事で次のように書いている。「のん気な我々の世代がそこここに居座っているから、若者が先に進めない」。
経済学者であれば、この理論における欠陥を見抜くだろう。ケラウェイ氏の記事は「世の中には一定量の仕事しか存在しない」という考え方に基づいている。この概念は、経済学で「労働塊の誤謬」と呼ばれているものだ。かつては女性の社会進出を阻む口実として持ち出された。今日でも、反移民の立場を取る政治家が、移民は国内の仕事を奪う脅威だとしてこの理論を利用している。
高齢層の雇用率が高い国は、若年層の雇用率も高い

やっかいなことに、この「労働塊の誤謬」は撲滅するのが実に難しい。一見したところ、正しい理論のようにも思えるからだ。確かに、エネルギッシュな若者に職を奪われまいとする年配上司の姿は、誰にとっても馴染みがある。
こんな時は、何につけてもまず統計を見ることが重要だ 自分で感じたことや人から聞いた話も役に立つだろうが。冒頭の図は、OECD(経済協力開発機構)に加盟する富裕国の雇用水準を示している。労働人口における最高年齢層(55〜64歳)と最若年齢層(15〜24歳)の雇用率を見ることができる。対象国を4つのグループに分け、最高年齢層の雇用率が高い順に並べた。
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