遥洋子の「男の勘違い、女のすれ違い」 職場の愚痴のむこうには [2/2]
差別というものを、当人の痛みで判断するなら、私がより痛かったのは後者のほうだった。
しかし、世間には明らかに前者のほうが女性差別主義者と認知されていて、本人もそれを自覚していた。そのせいで男性ファンも多かったくらいだ。
しかしその上司は私から“仕事する機会”を奪わなかった。それどころか、「ほら。俺はこんなに主張している。お前もせんか」と仕事する機会を与えてくれた。
後者は私にとっては“仕事する機会”を奪われたような感覚がある。
もちろん番組はあるのだから仕事はあるのだけど、「黙って微笑んでいればいい。仕事はするな」というメッセージは、入社はできたものの「お茶入れてくれればいい。本気で仕事しようと思うな」の失望に近い。
私にとっては、お茶を入れようが、手を握られようが、仕事の機会が与えられることのほうが数段嬉しかったのが正直なところだ。
職場には異なる主張があっていい。男女の古い価値観の人がいたっていい。問題は、同調を求めるあまり、異なる主張に対し感情の乱れが生じることのほうだ。
古い価値観の人も、新しいと自負する人も、そのどちらに合わせたところでどちらかにストレスが溜まる。さりとて異論を唱えると、唱えられたほうは感情が乱れ、角が立つ。
そのどうしようもなさが働く男女の愚痴メールになるのではないか。
互いに異質であることを共有できないものか。異質なのだから異論になるのは当然だ。
そう思えたときに初めて、次のステージに進むことができるように思う。一丸となった組織や、まとまりのいい家族というのを私は信用しない。
バラバラという健全もある。
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タレント、エッセイスト
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