デジタルエンタメ天気予報 ニンテンドーDSiに「アイ」がついた本当の理由 「任天堂カンファレンス2008.秋」レポート
ゲームに関わる仕事を20年やってきましたが、これほど「てんこもりな発表会」は、今回が初めてです。10月2日に国立代々木第一体育館で開催された「任天堂カンファレンス2008.秋」。大量の新発表ネタがあり、新作タイトルもたっぷりと紹介されました。昨今の任天堂の勢いの凄まじさを思い知らされました。

ニンテンドーDSiの体験会場。DSiカメラで撮影した画像で遊んだり、DSiサウンドで音楽プレイヤーを体験することができた。
最大のニュースは、新型ニンテンドーDSの発表でしょう。正式名は「ニンテンドーDSi」。これまでと比較して、本体がわずかに薄くなり、画面サイズは大きくなり、スピーカー機能が強化されました。また、携帯ゲーム機としては史上初のカメラ、そして音楽プレーヤー機能を標準搭載。これらで取り込んだ画像・音楽を自由にいじれるなど、ゲームっぽい要素も入っています。撮影した画像類はSDカードに記録し、そのままWiiの写真チャンネルなどで見ることも可能です。
ニンテンドーDSi専用ソフトをダウンロードできる「DSiショップ」というサービスも開始。Wiiの「ショッピングチャンネル」のようなものだと考えるとわかりやすいでしょう。「Nintendo Zone」というサービスもあります。これは街のいたるところにニンテンドーDSiのためのアクセスポイントが用意されると考えてください。まずはマクドナルドの店舗(当初は関東・中京・近畿地区のみ)に行くと、自動的にDSiがネット接続可能になるサービスが始まるようです。
ニンテンドーDSiの登場により、ゲーム機は「持ち歩くと楽しい道具」としての道を、さらに一歩前進させることになりそうです。発売日は11月1日。価格は1万8900円(税込み)です。
満を持して投入される「パーソナルなゲーム機」

ニンテンドーDS Liteと比べ、ちょっとだけスマートになった。カメラは外側のみならず、本体を開いたときの中央部にも搭載。色はホワイトとブラックの2種類が用意された。
しかし、くれぐれも誤解しないよう、ご注意ください。
ニンテンドーDSiを、従来の新型ゲーム機と同じように「高機能によって購入欲を掻き立てる新マシン」だと位置づけてしまうと、大きな落とし穴にハマります。カメラや音楽再生機能こそつきましたが、そこにはゲームファンを唸らせるような、驚異的な性能のジャンプアップはありません。ということは、そこはそれほどの注目ポイントではないんです。
このマシンの真の注目ポイントは、別のところにある。それを知るためには、これまで任天堂が発し続けてきた、2つのメッセージを思い出してください。
- ゲーム人口の拡大
- 1人に1台の普及を目指す
です。
現在のニンテンドーDSの国内普及台数は、およそ2300万台。国内の普及限界と思われていた2000万台を超え、ついに6人に1人以上の割合で所有され、しかしいまなお好調に売れ続けている国民機になりました。にもかかわらず、今回、岩田社長は、まだ普及の余地があるというメッセージを発しました。
どこに、そんな余地があるのか? それを読み解くためのキーワードこそが「ゲーム人口の拡大」と「1人に1台の普及を目指す」であり、そのための切り札がニンテンドーDSiなんですね。
そこに目を向けることができれば、ニンテンドーDSiが、任天堂が機が熟すのを待って投入してきた、史上初の「個人で所有するための、パーソナルなニンテンドーDS」であることが見えてきます。
任天堂が目指す「パーソナルなDS」
と書くと、ゲームに詳しい人ほど「え?」と思うでしょう。DSは携帯ゲーム機なのだから、個人で所有するに決まっているじゃないかと。
しかし、それはゲームファンの視点に過ぎません。実情は違います。ニンテンドーDSは、ごく普通の家庭にも広く普及しているため、1人が1台持っているのではなく、1台のマシンを家庭の中で共有していることも多いんですね。兄弟で1台、あるいは夫婦で1台のマシンを使っていることは珍しくない。むしろ、4人家族で、ちゃんと4台のマシンを用意している方が少数派でしょう。
とはいえ、同じデジタル機器でも、ケータイは、4人で4台持っているのは、ごく普通のことですよね? これらの機器はみんなで共有しません。なぜなら、それらは「自分のもの」だという感覚が強く持っているからです。
おわかりでしょうか? ニンテンドーDSiが狙っている市場は、そこにあります。
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