声優で歌手の水樹奈々(36)が22日、兵庫・西宮市の阪神甲子園球場でライブを行った。プロ野球阪神の大ファンで、何年も前からオファーをし続けてついに念願をかなえた。同球場でのライブは女性ソロアーティストとしては初めて。97年に声優デビュー後、いくつもの「声優初」という称号を手に入れてきた“アニソン界の女王”が、20年目の節目に新たな歴史を刻んだ。
 「いくぞ〜、甲子園! みんな、盛り上がっていくよ!!」。オープニングからテンションマックスの水樹に対し、約3万7000人のファンが大声援で応えた。大降りだった雨が、開演に合わせるようにピタリとやむ。天までも味方に付けた水樹は「みんなで気持ちを1つにすれば天気も変えられる」と絶叫した。
 1曲目の「アオイイロ」からステージに風船を飛ばすど派手な演出。その後も、高さ15メートルのタワーから50メートルのスライダー移動をするなど、この日ならではのサプライズを連発した。「ここは聖地。まだ自分がここにいるのが信じられない。鳥肌が止まらない」と興奮を隠そうとしない水樹は、ヒット曲の数々に自慢の美声を響かせ続けた。新曲「STARTING NOW!」の歌唱時には、高さ7メートルの恐竜の骨格ゴンドラに乗ってグラウンド約280メートルを1周。外野席を埋めるファンに笑顔を届けた。
 父親の影響で、子どものころから大の野球好き。いつしか「阪神愛」一色に染まり、特に選手時代から矢野燿大1軍コーチ(47)の大ファンだ。アンコールでは、約4カ月猛特訓をしたサックスで阪神の球団歌「六甲おろし」の初披露までしてみせた。
 97年にゲーム「NOeL」で声優デビュー。3年後に「想い」で歌手デビューしてからは、「声優初の」という金字塔をいくつも打ち立ててきた。この日は、7月に富士山頂で成功を祈った、通算151回目の公演。終演近くで土砂降りになった天気も「気持ちいい。天の恵み」と笑い飛ばした。甲子園は天然芝の養生問題などからライブ使用をほとんど許可しない。長年のオファーが実った“アニソン界の女王”は「今日は忘れられない宝物です」。夢にまで見た聖地で、約4時間かけた27曲の歌唱で完全燃焼した。【松本久】
 ◆水樹奈々(みずき・なな)本名・近藤奈々(こんどう・なな)。1980年(昭55)1月21日、愛媛県生まれ。5歳から歌を始め、中学時代に上京。堀越高芸能コースに通いながら、代々木アニメーション学院声優科で学んだ。97年にゲーム「NOeL」で声優デビュー(発売は98年)、00年に「想い」で歌手デビュー。09年に声優界初の紅白歌合戦に出場し、通算6回出場。趣味はお菓子作り。血液型O。
<水樹「声優初」の数々>
 ▼09年 アルバム「ULTIMATE DIAMOND」がオリコン週間ランキングで1位。
 ▼同 第60回NHK紅白歌合戦に初出場。
 ▼10年 シングル「PHANTOM MINDS」がオリコン週間ランキングで1位。
 ▼11年 東京ドーム公演を実施。2日間で8万人を動員。
 ▼14年 紅白歌合戦に6年連続6回目の出場。
 ▼16年 2度目の東京ドーム公演。4年4カ月で2度目の同所公演は女性ソロで最速記録。
 ▼同 阪神甲子園球場でライブを実施。