SMAPロスやら「逃げ恥」ロスやらが騒がれているが、昨年、一番痛かったのが「鬼平」ロス。中村吉右衛門版「鬼平」が昨年末ファイナルを迎え、残念……という方も多いと思う。

 そこに登場したのが、アニメ「鬼平ONIHEI」だ。累計発行部数は、実に2700万部という池波正太郎原作初のアニメ化。アニメで本格時代劇? と思われるかもしれないが、総指揮が、半世紀以上アニメ制作に携わり、昨年の大ヒット作「この世界の片隅に」の名プロデューサー丸山正雄さんと聞けば、心配は吹き飛ぶ。個人的には、丸山さんが手掛けた石ノ森章太郎原作のモノクロアニメ「佐武と市捕物控」(68年)のスピード感が忘れられない。

 大の鬼平ファンという75歳の丸山さんは、今回の作品は大きな挑戦であり、「時代考証を押さえつつも、モダンでお洒落なセンス、ダイナミックな動き、破天荒な見せ場を」と語る。

■声優はブラピ担当

 アニメ鬼平はどんなイメージなのか? 昨年、試写会で披露された長谷川平蔵にはとにかくびっくり! 癖毛のラフな髪に細面の二枚目。かなり若々しい印象だ。声は海外ドラマでブラッド・ピットなどを担当するベテラン声優の堀内賢雄氏。キレのよさに渋みが少々。声も新イメージの鬼平だ。

 物語は第1話「血頭の丹兵衛」をはじめ、「暗剣白梅香」「盗法秘伝」など人気のエピソードが揃う。第2話「本所・桜屋敷」は、火付盗賊改方・長官となった平蔵が、若いころ、暴れまわった本所が舞台。初恋の女との悲しい再会。大人のアニメらしい妖艶なシーンにドキドキだ。

 テレビ東京ほかで毎週月曜深夜、時代劇専門チャンネルで日曜深夜放送。WEBラジオ「堀内賢雄の鬼平ラジオ」を聞くと、より鬼平の世界が広がる。癖毛の新鬼平の活躍に期待したい。

(時代劇研究家・ペリー荻野)