日本ハムから国内FA権で巨人に移籍した陽岱鋼(29)が12日、川崎市のジャイアンツ球場で初めて練習を行った。

 上下赤のウインドブレーカー姿でグラウンドに登場すると、新人合同自主トレ中だったドラフト7位の台湾人右腕・リャオが駆け寄って「日本語」で挨拶。ガッチリ握手を交わした同胞の後輩を「雰囲気が違う。かっこ良かった」と感激させた。

 ランニングが終わると、室内練習場へ移動。白のTシャツ、ハーフパンツに着替え、キャッチボール、ノック、マシン打撃、ネットスロー、ウエートトレーニングなど約2時間、汗を流した。

「今まで野球をやってきて、こんなにたくさんマスコミがいる前で練習するのは初めて。緊張した。Gのマークが胸にあるので、自覚を持って練習をやっていかないといけない。巨人に来て1年生。キャンプインからみんなといい勝負ができたら」と意気込んだ。

 3月のWBC台湾代表に選出される可能性がある。当初は出場に意欲を見せていたが、この日になって「初めての球団で焦りもある。1年目が大事。もちろん代表は光栄なことでうれしいけど、(昨年は)ケガもあったので、球団とトレーナーと話し合いたい」と慎重な姿勢を崩さない。

「(セとは)交流戦、オープン戦しかやっていない。セの投手の映像をたくさん見ないと。データも聞いていかないと」とWBCより、セ・リーグの未知の野球を研究したい意向を明かした。

■古傷の影響も…

 確かにFA選手として当然のことではあるが、「新庄の弟子だからもっとイケイケかと思ったのに意外とマジメ。普通の感覚の持ち主ですね」とはテレビ局関係者。FA入団1年目の開幕スタメンの座はほぼ保証されている。自身をスターに押し上げた台湾代表にこだわりがあるとみられ、巨人も球団として反対はしない方針という。前回大会は「1年目」ではないが、台湾代表で林、カナダ代表でマシソンが出場している。「巨人に移籍しようが台湾代表としてWBCに出るはず」と多くの台湾メディアはみていたが、「巨人1年目」を理由に辞退する可能性が高まった。

 腰が引けるのは「古傷」の影響もある。昨秋痛めた右脇腹について「怖いところがあったけど大丈夫。今日の目標はクリアできた」と安堵の表情を見せたものの、体が万全じゃないのもイケイケになれない理由かもしれない。巨人とすれば、故障明けなら無理はして欲しくない。が、台湾のファンの期待を一身に背負う役割もある。代表に尻ごみする体と性格は、巨人にとっても懸念材料になる。