アッと驚く出来事が起こるかもしれない。

 金本監督が就任2年目を迎える阪神。オフにはFAで糸井、助っ人は内野手のキャンベル(メッツ)らを獲得したが、懸案事項は解消されたわけではない。糸井は中堅、キャンベルは三塁を務める方針の一方で、ゴメスが退団した一塁がポッカリ空いたまま。その手当てができていないのだ。

 今後は一塁の助っ人補強、捕手原口のコンバート、三塁守備に不安があるキャンベルの一塁起用といった選択肢が浮上するだろうが、阪神OBは、「状況次第で鳥谷を一塁にコンバートするのも手かもしれない」と言う。

 鳥谷は昨季の不調により、若手の北條に遊撃のポジションを奪われる格好になった。鳥谷は今季、遊撃で再勝負をかけるつもりでいるが、北條を高く評価し、若手育成を推進したい金本監督は、最初こそ競争させても、最終的には北條を優先的に起用するとみられている。前出のOBが言う。

「実績があり、功労者でもある鳥谷のコンバートは、本人のプライドを尊重する必要があるなど、簡単なことではない。ただ、交流戦を迎えるあたりで金本監督は鳥谷と北條の勝ち負けを決めるだろう。そこで北條が鳥谷を上回る結果を残していれば、鳥谷を一塁に回すのもアリかもしれない。遊撃をやっていた鳥谷なら一塁はできるだろうし、守りの負担が軽減され、打撃に専念できれば、まだまだやれる力は持っている。残り128本に迫った2000安打達成の後押しにもなるはずだ」

■球団にもメリット

 かつて阪神は、2000安打を達成した藤田平が30歳を過ぎて遊撃から一塁にコンバートされ、81年には首位打者を獲得した。他球団を見ても、ロッテの井口が二塁から、巨人の阿部は捕手から、それぞれ一塁へコンバートされ、選手寿命を延ばしている。在阪メディアの関係者が言う。

「年俸4億円の生え抜きスター選手がベンチウオーマーであり続ければ、チームの火種になりかねないし、ファンも見ていて気持ちがいいはずがない。鳥谷は貴重な将来の幹部候補。大事に扱う必要がある。阪神は伝統的に功労者に対する処遇がヘタ。いい時はチヤホヤしすぎで、悪くなったらバッサリというやり方です。03、05年優勝メンバーの赤星、矢野が、引退するタイミングでフロントとひと悶着あったように、気持ちよくユニホームを脱いだ選手の方が少ない。『阪神タイガースは好きだが、阪神球団は……』というOBは結構いますからね」

 鳥谷にとっても球団にとっても、一塁転向はメリットが大きいかもしれない。