1956年から約60年間、長崎県警に毎年匿名の寄付が続いている。当初の送り主は「A子、S子」の2女性。その後、仲のいい「Y子」も加わり、今は「Y子の娘」が引き継ぐ。県警や県の職員は「感謝してもしきれない」と話す。

 寄付は56年3月に「気の毒なお友達にあげてください。A子・S子 17歳」という手紙とともに、300円が届いたのが始まり。Y子さんが加わり、72年にY子さんが亡くなっても、3人の連名で寄付は続いた。

 2004年からはY子さんの娘が母の遺志を継ぎ、これまでに計12万円を寄せた。06年2月にA子さんとS子さんが50年の節目で「卒業」してからも、Y子さんの娘が一人で、母とその友人の思いを紡いできた。

 県警は、県が障害者支援のため創設した「愛の福祉基金」に寄付金を73年から寄託し、合計金額は138万1200円に上る。

 県警に昨年7月と12月、Y子さんの娘から手紙と5千円ずつが寄せられ、手紙には「インフルエンザ、ノロウイルスとはやっていますのでご自愛ください」と警察官を気遣う言葉が並んでいたという。

 県警広報相談課の草野和幸課長は「浄財は基金を通じて、社会のために役立てられます」と笑顔を浮かべる。

 県警の女性職員から寄付金を手渡された県障害福祉課の柴田昌造課長も「継続していただいて、心から感謝しています」と頭を下げた。寄付金は基金に積み立てられ、障害者のスポーツ振興や点訳に必要な機器の購入に充てられる。

=2017/01/13付 西日本新聞朝刊=