夫婦問題カウンセラーの筆者のもとに電話相談があった40代のAさん。「離婚すべきかどうか」お悩みでした。ここ数年続く、夫からの心無い言葉や冷たい態度に、夫婦関係を続けていくことに自信をなくし、もう夫婦関係を解消した方がいいのではないかと毎日のように悩んでいらっしゃいました。

 

■「夫の顔色を見ながら暮らしています」

「いつも夫は不満そうな顔をしています」
「私は黙って夫の言うことを聞くしかないんです」
「夫の顔色を見ながら暮らしています」

誰にも話せない悩みを、切々と訴えるAさん。夫からの冷たい対応に、どうしていいかわからず、毎日泣いて暮らしているとのこと。ずっと一人で悩みを抱えて悶々と過ごしてきたのでしょう。憔悴しきった様子が電話口からも伝わってきました。

ですが、Aさんのお話を伺っていて、筆者は次第に「?」マークを感じ始めました。

 

■ 自己評価の低さは夫婦関係にも影響

「私は、家事も下手だし、きちんと結婚生活が送れないんです」
「料理も掃除も苦手だから、夫はそんな私を妻と認めていないようです」

話を進めていくと、Aさんは自分に対する評価がとても低いことがわかりました。

Aさんだけではなく、「妻とはこうでなければならない」という固定概念に縛られ、自分はダメな人間だと、自己評価の低い女性が目立っています。とくに専業主婦は、家事に対する対価が支払われませんから、余計に「自分の価値」について低く評価している側面があります。

常に自分が正しい、と自信満々に主張ばかりする女性も問題ですが、「自己評価」が低すぎる場合も、夫婦関係に悪影響を及ぼしてしまうので要注意です。

 

■ 実は夫も自信をなくしている

男性は、完璧な妻など求めていません。そもそもプロではないのですから、家事や子育てを完璧にこなすことなどできませんよね。

男性が求めるのは、「いつも幸せそうにニコニコしている奥さん」です。ですから、妻が、現状に不満で、つまらなさそうにしていると、自分は妻や家族を幸せに出来なかったとふがいなさを感じて、夫もまた自信を失います。

つまり、夫婦ともに自信をなくしているので、家の中はどんより暗いムード。不幸な状況を生み出しているのです。

最初からなんでもできる人などいません。誰もが初心者で誰もが通る道です。失敗しながら少しずつ経験値を積んでいます。必要以上に自分を卑下する必要はありませんよ。

家庭の主導権を握っているのは、たいてい女性である妻です。夫側によほどの問題がない限り、「自分が幸せな家庭を創る」という意識と自己肯定感を持って、明るい雰囲気と会話を心がけてみてくださいね。

[執筆:渡辺 里佳(夫婦関係・離婚カウンセラー), 2016年10月14日]