■ ある日、突然声が出なくなる

母娘関係改善カウンセラーの筆者のもとには、母親のことで悩む娘さんが相談に来られます。その中には、思春期に声が出なくなった失声症を経験している人が複数おられます。失声症は声が出ず、精神的ショックやストレスとの関連が指摘されることがあります。タレントの山口もえも、前夫との結婚生活で失声症になったと言われています。

カウンセリングで相談者に当時を振り返って頂くと、クラスでいじめにあったとか、大好きだった祖父が亡くなったなど、強いストレスがあったことがうかがわれます。楽しいはずの青春時代に声が出ない経験をしたことは、とてもショックな出来事となっていることが多いようです。

筆者のカウンセリングは母娘問題に特化しているため、相談者のほとんどが現在、母親との関係に悩んで来られます。そこで、思春期の頃の自分と母親との間がどのようなものだったのか、ふりかえる作業をします。そのときに、当時は担任の先生が怖くてとか、いじめが原因で失声症と診断されたけれど、よく考えてみると母親のせいだと話す人が結構いらっしゃるのです。

 

■ 失声症を乗り越えたことを自信につなげて

千葉県内の社員寮で暮らすA子さん(24歳)のケースです。A子さんは中学生のとき、親友に裏切られたことから不登校になりました。ですが、その状況を母親から責められ、ある朝、しゃべることができない自分に気がつきました。

心配した担任教師が心療内科を勧めたそうですが、母親はしぶったそうです。それは、通院が知られたら世間体が悪いという理由からでした。

社会人となったA子さんは、今でも強いストレスを感じると声が出なくなった当時を思い出し、不安が蘇ると言います。その一方で、自分より世間体を気にした母親に怒りを感じることも。これはパターンになっている可能性があります。ストレスを受けると失声症の不安を思い出し、母親への怒りが沸き起こる。この繰り返しならば、むしろ失声症を乗り越えた今の自分を見つめて下さい。それは必ず新たな自信につながるはずです。

それでも、母親に関心が向いてしまうなら、失声症がトラウマになっている可能性も。この場合は、きちんと向き合う必要があるかもしれません。カウンセリングなども検討してみて下さいね。

[執筆:横山 真香(母娘関係改善カウンセラー), 2016年9月26日]